要点
≪GOOD≫
・シンプルかつコンパクト
・スマホと一体化するため、OTGケーブルによって嵩張らない
・音質は価格に対して必要十分なクリアサウンド
・このサイズで3.5mm/4.4mm二つのジャックがあり便利
・非再生時のホワイトノイズや、曲送りの時のノイズがない
・消費電力が非常に少ない
・発熱がほとんどない
≪NOT GOOD≫
・独立ボリュームやゲイン設定を持たない
・4.4mmジャックもシングルエンド出力でバランス接続非対応
・繋ぐ機器によってはパワー不足が懸念される
・豊かな音色やウォームなサウンドを求める人には向かない
まえがき(所感)
こんばんは、感想文番外編(案件編#1)です。
今回は初めてのDACレビュー&提供レビューになります。
Kiwi EarsのDACといえばゲーム機風のデザインが特徴的なAllegroがありますが、Allegro Miniはその名の通りそのコンパクトverで、廉価版としてとにかく小さく、使いやすく内容及びデザインが一新されています。
使ってみた感想としては有線イヤホンをそこそこ良い音で手軽にスマホで運用したいという方には、コスパも良くかなり強力な選択肢ではないかと思いました。
当然コスパが良いとはいえメリット・デメリットがありますので、以下で詳しく見ていければと思います。
なお、今回の製品はレビューのため Linsoul_JP 様よりご提供いただきました。
この依頼に際し、製品提供以外の金品授受その他便宜の提供はございません。また、内容に関して指示等は一切なく、完全に私の知識と経験に基づき感じたままをレビューしています。
仕様・内容物とか
パッケージはシンプルの極みで、スポンジに守られた本体のみ。
仕様を記載した説明書等もありません。これがミニマリズムか。
Kiwi Ears Allegro Mini製品仕様
モデル | Allegro Mini |
PCM仕様 | 44.1-384kHz/32bit |
DSD仕様 | DSD64-DSD128 |
アウトプットパワー | L+R ≥ 30mW + 30mW (32Ω, THD+N < 1%) |
SNR | ≥ 114dB (32Ω load, A-weighted) |
THD+N | 0.004% (32Ω load, A-weighted) |
ノイズ | < 3μV (A-weighted) |
周波数帯域 | ±0.2dB (20-20KHz) |
ノイズ | 3μV |
アウトプット | USB C to 3.5/4.4mm |
チップ | Built-in DAC/Amp chip (KT02H20) |
基本的な仕様は以上の通りです。
Allegroがケーブルで接続するタイプのドングルDACであったのに対し、miniの方は本体に備え付けられたType-Cのプラグで直接接続するタイプになります。
良いか悪いかは別にして、OTGケーブルを使わないためごちゃつきがなく、外での使用やちょっと動画や配信を見るときに便利です。
(よく寝る前に睡眠導入としてASMRを聴くときに使っています。)
また、特筆すべきはこの価格で3.5mm/4.4mm二つのジャックを有している点です。
リケーブルをよくする方には大変便利な仕様で、後述するとおりバランス接続の恩恵は受けられませんが、対応するプラグにケーブルを変える手間が発生しないのは有難いです。
消費電力については非常に省電力で、手持ちのスマホで2-3時間ほど連続使用してバッテリーの消耗は10%程度でした。(バッテリー容量や摩耗具合は機器によって異なりますので参考まで)
裏を返せばそこまでパワーのあるDACではないということですが、使用するシーンを考えると必要十分で優秀な性能といえます。
また、長時間の使用でもほとんど発熱がありませんでした。
注意点としては、4.4mmプラグでの接続でもシングルエンド出力であるためバランス接続の恩恵は受けられません。
また、DAC側にはAllegroにあった独立ボリュームボタンが無く、当然ゲイン設定も無いため、スマホ等の機器側で音量調節を行う必要があります。
機器と一体化する設計のため不要とされてしまうのは仕方ないですが、細かい音量調整が難しいため、この価格で求めることではないですが専用のアプリなんかがあると嬉しいなあと思ってしまいます。
音質について
視聴環境
・スマホ Pixel7a (Android バージョン14)
・イヤホン KiwiEars KE4(3.5mm 標準ケーブル)
音の感想
一言で言い表すならニュートラルで無難です。
チップの特色だと思いますが、クリアでこれといった脚色はなく、イヤホンの特徴を活かすような音色だと感じます。
低音から高音までしっかりと鳴り、滲みや歪みは感じませんでした。解像度や分離感はこの値段にしては十分で、中音域はやや強調されますが、ボーカルだけが浮き出てて孤立するようなことはありません。
ただ、全体的に音に厚みを感じずパワー不足かなと思う瞬間は多少ありました。
それでも手持ちのスマホのイヤホンジャックへの直刺しや、100均で購入した安価な変換プラグに比べると、解像度や音場も段違いですし、そういった環境の方には良いアップグレードだと思います。
また、非再生時のホワイトノイズや、曲送りの時のノイズがないので、音以外の部分のせいで気が散るようなことがないのは好印象です。
Allegro vs Allegro Mini(一応)
同じ3.5mmシングルエンドでの比較です。
音質の面では、どちらもクリアでニュートラルな音色ですが、解像度や音の厚みでAllegroの方が優れており、チップの性能差がそのまま音の調子に表れていると感じます。
取り回しの面ではやはりスマホと一体として使える点ではminiの方が便利な感じがしますが、ボリューム操作ができるといった面ではAllegroの方が有利です。
ただ当然価格差もありますし、ケーブルの有無、バランス接続、DACポケットを使えば等々、使用条件や環境が異なれば評価も変わります。
単純に比較してどうというよりは、シーンに合うものをチョイスできる選択肢があるのが嬉しいですね。
おわりに(オススメ度)
★個人的なオススメ度(※) : 8.5/10
◎音質に対する満足度 : 8.5/10
◎操作感に対する満足度 : -/-
◎デザインや造りに対する満足度 : 9/10
◎付属品や外装に対する満足度 : 7/10
※Amazonでの販売価格4Kの場合の満足度です
正直4kほどの価格で3.5mm/4.4mm両対応で十分な音質、しかもコンパクトで省電力というのはコスパが良いとしか言いようがありません。
あと、個人的にはノイズが全く気にならなかったのが嬉しいです。
今はイヤホンジャックが付いているスマホも減ってきていますし、有線イヤホンをそこそこ良い音で手軽にスマホで運用したいという方にはかなり良い選択肢ではないでしょうか。
デザインがシンプルですし、ノートパソコンで使うのもいいかもしれません。
自分はDAPやAllegro含む他のドングルDACも所持していますが、このAllegro Miniはそれらの隙間隙間を埋めるように活躍してくれています。
恐らく今回の依頼が無くても自分で買ってたと思いますし、同じ評価をしていたと思います。忖度なくオススメできる便利な製品でした。
さて、今回のレビューは以上です。
初の提供でのレビューということで少々緊張もありましたが何とか書き上げることができました。
この後は同じKiwi EarsのKE4をレビュー予定です。(Linsoul_JP様提供)
こちらもなかなか面白い製品でしたのでお楽しみに。
ではまた。
販売価格/リンク
◎各ECサイトの販売価格
(※2024/9/12時点の価格であり、変わる可能性があります)
Amazon 販売ページ:4,280円
Linsoul 販売ページ :$24.00 USD ≒ 3,466円
◎Linsoul_JPのポータルサイト:https://linktr.ee/linsouljp