
要点
・亜鉛合金の金属筐体にギアデザインを施したユニークな外観。
・「TRI 角笛」を含む充実の付属品でユーザーフレンドリー
・バランスが良く聴きやすい「弱ドンシャリ傾向」のチューニング。特に低・中音域が力強く、迫力と没入感のあるサウンドが特徴。
・低音は深みと迫力がありつつ制御が良好。中音は低音に埋もれず温かい表現力を持つ。高音は刺激が少なく、クリアな伸びを実現。
・立体的でやや広めのサウンドステージ。臨場感があり、定位感もまずまずでゲームや映画鑑賞にも。
・(総評)ユニークな金属筐体デザインと、迫力ある低音とバランスを両立させた聴きやすい弱ドンシャリチューニングが特徴の1DDイヤホン。
まえがき
レビュー#31
今回は KBEAR Tourbillon-Pro (TB-Pro) です。
「Tourbillon-Pro (以下、TB-Pro) 」は「KBEAR」によるブルーダイヤモンドコート振動板を採用した1DDイヤホンで、亜鉛合金の筐体にギアデザインをあしらっている独特なデザインです。
KBEARは主に音質の面で独特な(癖の強い)イヤホンを作るイメージがあったのですが、今回はビジュアル的に独特なデザインなだけで音質的にはかなりバランスの取れた良い仕上がりに感じました。
そういえば『KB16 Cerpheus』でレビューしたようにシンプルに完成度が高い製品も作れるんだよな、と再認識しました。
また、本製品がこの度『VGP 2026』を受賞したとのことです。おめでとうございます。
なお、今回の製品はレビューのため KEEPHIFI.JP公式 様よりご提供いただきました。ありがとうございます。
この依頼に際し、製品提供以外の金品授受その他便宜の提供はございません。また、内容に関して指示等は一切なく、完全に私の知識と経験に基づき感じたままをレビューしています。
「TB-Pro」は現在 AmazonのHiFiHear Audioストア で販売中です。
20%割引コード:YRG4469U
締切時間:2025-12-4 23:59 JST
仕様
スペック
|
感度 |
101dB±3dB/mW@1KHz |
|
19±2Ω @1KHz |
|
|
周波数応答範囲 |
20-20KHz |
|
ドライバー |
PU+PEEK diaphragm with DLC Blue Coating DD |
|
ケーブル材質 |
OFC銀メッキケーブル |
|
ピンタイプ |
0.78mm 2-pin |
|
プラグタイプ |
3.5mm/Type-C (Type C with mic(CX31993), Type C with mic(ES9280)) |
|
ケーブル長 |
120cm |
ドライバー

※公式販売ページより
「TB-Pro」は、シンプルな1DD構成。
特筆すべきはPU+PEEK+ブルーダイヤモンドコート複合振動板の採用です。他のイヤホンでの採用例はあまり聴いたことが無いですね。
ブルーダイヤモンドドーム振動板は、音質をさらに高める仕上げです。独自の材質特性により、全体的な音の質感をさらに最適化し、音波伝播時の歪みを低減し、音の透明度を大幅に向上させます。 (公式販売ページより)
ダイナミックドライバーは10mm デュアルマグネット・デュアルチャンバー・ダイナミックドライバーを採用しています。
音響出力の核となる大型の10mmダイナミックコイルは、広い振動面積と優れた振動効率により、低域再生の確固たる基盤を提供します。空気をより効果的に推進して音波を形成することで、より深く、より重厚な低域再生を実現します。デュアルマグネティック回路構造により、ドライバーの駆動性能がさらに向上します。 (公式販売ページより)
付属品や外装



「TB-Pro」のパッケージはこんな感じ。

内容物は①本体、②イヤーピース、③ケーブル、④ケース、⑤クリーニングクロス・ブラシ、⑥説明書等。
A10Kであれば欲しいなと思うものは大体揃っている必要十分なパッケージです。

②イヤーピースは2種類・各3サイズ。
写真左側は『TRI 角笛(Clarion)』というイヤーピースで、開口部が広く、ややせり出した形をしています。
個別売りもされており、装着感に定評のある人気のイヤーピースです。
とりあえずこれが無難です。
写真右側は標準的な弾丸型のイヤーピース。
高さは角笛よりやや低く、傘は柔らかめです。
安っぽくも見えますが、案外フィット感も悪くないです。


このイヤホンで特に感じたのはイヤーピース選びの重要性です。
金属製で硬いので快適な装着感が特に大事なのはもちろん、音質の方もこの付属イヤピを付け変えるだけでもかなり変化するのを感じました。
なので角笛が無難とは言いつつも、黒い方のイヤピも試してみることをお勧めします。


③ケーブルは3.5mm(マイク有/無)と Type-C(チップの種類が2種類、両方マイク有)があり、今回は3.5mmマイク無しを提供いただきました。
なお、Type-Cはそれぞれケーブル自体の仕様が違うようなので注意してください。(KBEARの公式通販では二種類ありましたが、日本ではもしかしたら一種類しか販売されないかも)
3.5mmケーブルの線材は「OFC銀メッキ」で、端子はフラットタイプの0.78mm 2PIN。
ビルド・音質共にクオリティは十分で、このまま使っても支障はないと思います。
ただ、個人的にはリケーブルによってさらにポテンシャルを引き出せると考えているので、バランス化したい・少し物足りない等があったときにはリケーブルしてみることをお勧めします。


④ケースはレザー風で高級感があります。変な匂いもしません。
本体、ケーブル、イヤピ位なら十分入るくらいのサイズ感です。

⑤クリーニングクロスとブラシ。あると地味に嬉しいやつですね。
ケースに一緒に入れておくと良いと思います。
本体・装着感等について
本体・造形について

「TB-Pro」のカラーバリエーションは「ブラック」「シルバー」の2種類(らしい)。
今回はブラックを提供いただきました。
ハウジングにはオールメタルの亜鉛合金構造を採用。
オールメタル素材の選択は、まず製品に卓越した構造的安定性をもたらします。亜鉛合金の剛性は音質に重要な役割を果たします。オールメタルハウジングは不要な共振を効果的に抑制し、音声伝送時のノイズ干渉を低減することで、音の純度を大幅に向上させます。繊細なボーカルから複雑な楽器まで、どちらもよりクリアに表現され、音本来のクオリティを再現します。(公式販売ページより)
仕上がりは十分で全体的にしっかりとしたビルドクオリティだと思います。



端子部分は凹みのないフラットタイプの0.78mm 2PINです。
ノズル部分はやや太めですが、返しが付いているので、大抵のイヤーピースが装着できるかと思います。(ただちょっと滑りやすいです)
装着感について
「TB-Pro」は金属筐体なので、それなりに重さもあります。
先述した通り、特に感じたのはイヤピの選定の重要性です。
装着感を高めるため、金属だと長時間着けていると痛みが出ることがあるのでイヤピ選びはしっかりすることをお勧めします。
個人的には形状による装着感も良く、変な圧迫感も少ないので、長時間のリスニングでも不快感を感じませんでした。
音の感想
視聴環境
・アラサー男の耳 (16000hz)、ドンシャリ(V字、W字)好き
・エージング 50時間
・Fiio JM21 → 本機(EQ、フィルター無し、Lowゲイン)
・音量大きめ(音漏れが聞こえるくらい)
・ケーブル 標準(3.5㎜)
・イヤピ 標準(角笛)
・主なリファレンス曲(flac音源)
〇藤井風『満ちていく』
〇米津玄師『海の幽霊』
〇RIIZE『Boom Boom Bass』
〇凛として時雨『Telecastic fake show』
〇Vaundy『life hack』
〇女王蜂『01』
〇鹿乃『優しさの記憶』
〇星街すいせい『綺麗事』
〇milet『inside you』
〇宇多田ヒカル『First Love』
〇トゲナシトゲアリ『雑踏、僕らの街』
〇HIMEHINA『LADY CRAZY』
〇アイナ・ジ・エンド『Love Sick』
〇梶浦由記 『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」コンサート』
全体的な印象について
音色はナチュラル~やや暖色より。
チューニングとしては弱ドンシャリ傾向。
特に低音域~中低音域が強めで、全体的な重心の低さを感じます。ともすると低音過剰と感じる人もいるかもしれないくらいには、低音域が力強く迫力があります。
とはいえ全体としては音楽的に上手くバランスを取っており、聴きやすいドンシャリの範囲に収まっていると思います。
イヤピによる密閉間によっても変わりますが、良く言えば没入感、音楽の世界に入り込めるような感覚を味わえます。一方でその感覚を逆に閉塞感ととらえる人もいるかもしれません。
解像度はA10kなりに十分かなと。暖色よりの音色や1DDらしい音楽的なまとまりの良さから、パリッとした分離感は感じにくいです。ただ、しっかりと音の輪郭の表現や響きの抑制はできていて、ぼやけたり団子になったりといった印象はありませんでした。
ちなみに、エージングや使用前にDDに火入れ(バーンイン)してあげるのが大事かもしれません。エージング後の全体の印象としては、よりバランスがよく聴きやすいドンシャリになり、かつ分離感や解像度も向上した印象を受けました。

※公式販売ページより
各音域について
低音域
深みと響きを頭部から全身に感じるパワフルで厚みのある低音域です。
かといって支配的だったり下品だったりするような鳴り方ではなく、あくまで制御された輪郭とキレを併せ持つ良い低音だと思います。
ベースとサブベースのバランスも悪くありません。
量感的には多め。
試しに音楽を聴きながらイヤホンの筐体を指で軽く押さえてみて欲しいんですが、低音域がかなり主張していることを感じれるかもしれません。特にもともとベースの主張が強い曲だと顕著に感じます。
とはいえしっかりと制御されつつ輪郭のある低音域ではあるので、個人的に他音域へのマスクはそれほど気になりませんでした。
正直、低音域はイヤーピースの恩恵も大きいので、まずは付属している二種類のイヤーピースを試して低音域の量感を調整してみることをお勧めします。
中音域
前述の通り迫力ある低音に埋もれないくらいにしっかりと存在感がある中音域で、特に低中音域は負けず劣らずの力強さがあります。
かつ温かみのある音楽的な表現にも長けていて、好印象です。
ボーカルはやや前に位置し、しっかりと輪郭を保ってている印象。
どちらかというと女性ボーカルよりは男性ボーカルの方が映える印象です。
楽器類もしっかりと輪郭を持って良い距離感でなってくれます。
ややウォームな質感なので、温かみのある楽器の音色と良く合います。
全体的にドンシャリにありがちな中音域の凹みを上手く抑え、バランス良く聴きやすいように調整されている印象でした。
高音域
しっかりとした存在感を保ちつつも、刺激の少ない安全な高音域です。
煌めきや明るさは控えめですが、刺激を抑えながらも、クリアな伸びを感じます。
安全な範囲でしっかりと表現の幅もあり、繊細な音から力強い音まで、しっかり再現してくれます。
音色としてはDDの影響か、ドライというよりはウェットに寄りになっている印象です。
ただ重い金属筐体のおかげか余計な残響は感じません。
一方、上記の通り安全設計になっているので、トレブルヘッド(高音愛好家)には物足りないかもしれません。
空間表現(ゲームでの利用等)について
サウンドステージは立体的かつやや広めな印象。
一方でどこまでも広がる抜け感のようなものはありません。
例えるならライブハウスの中央に立っている感覚です。
定位感もまずまずで、ASMRやゲームでも使えると感じました。
迫力や臨場感もあるのでRPGや映画鑑賞なんかにも良いと思います。

おわりに(感想・まとめ)
「TB-Pro」は、1DDというシンプルな構成ながら、そのメカニカルで美しい歯車の意匠に恥じない、精密な制御とバランス、そこにただの優等生では終わらせない迫力を両立させた面白いイヤホンだと感じました。
あと単純な好みですが金属筐体は響きの面でやっぱり良いですね。
また、特徴的なデザインをはじめ、バランスが取れつつもパンチのある音質、付属品の充実度でユーザーフレンドリーな部分など、「KBEAR」の積み上げてきた技術力・設計力も感じる一品でした。強いていうならバランス接続(4.4mm)の選択肢があるとなお良かった気がしますが。
迫力と没入感を求め音楽を心で感じたい方、デザインに惹かれた方は是非一度聴いてみてください。
さて、今回のレビューは以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
販売・リンク等(AD含)
・公式X:KEEPHIFI.JP公式
・Amazon:現在 AmazonのHiFiHear Audioストア で販売中です。
20%割引コード:YRG4469U
締切時間:2025-12-4 23:59 JST