
要点
・2DD+1BA構成で、日本のオーディオ文化と楽曲に合うよう「日本人好みの音」を追求したハイブリッドイヤホン
・クリアパープルとブルーの美しい筐体は、軽量な樹脂製で装着感が良く、長時間の使用でも快適
・ケーブルは3.5mmと4.4mmのプラグ交換式を採用しており、付属品は実用的で満足度が高い
・ニュートラル寄りの弱ドンシャリ。特定の帯域が突出することなく、全体的にバランスの取れた「中道」なチューニング
・ボーカル(特に女性ボーカル)が主役で聴き心地が良く、高音域は煌びやかながら刺さりがない「影のMVP」
・立体的な空間表現と優れた定位感を持ち、FPSなどのゲームプレイにも非常に有効
まえがき
レビュー#32
今回は Beep Audioの新作イヤホンAzure です。
「BeepAudio Azure」は「Beep Audio」による2DD+1BAのハイブリッドイヤホンで、美しいクリアパープルの筐体とブルーのFPが印象的です。
Azure は、長年培われた日本のオーディオ文化と聴衆の嗜好を深く研究し、理想のサウンドバランスを追求して生まれました。その音は、まさに「日本人好みの音」の進化形。過度な刺激や圧迫感を排し、日本の音楽本来の美しさを引き出す、洗練された透明感が最大の特長です。
とのことで、日本人・日本の曲にフォーカスして作成された本作。
それが見事にハマっているのか、とても聴き心地の良いイヤホンでした。
なお、今回の製品はレビューのため BeepAudio公式 様よりご提供いただきました。ありがとうございます。
この依頼に際し、製品提供以外の金品授受その他便宜の提供はございません。また、内容に関して指示等は一切なく、完全に私の知識と経験に基づき感じたままをレビューしています。
「Azure」は現在 ヨドバシカメラ、ビックカメラ、e☆イヤホン 等で予約受付中です。
仕様
スペック
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モデル |
AZURE |
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着用方式 |
インナーイヤー型 |
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ドライバー構成 |
2DD + 1BA |
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プラグ |
3.5mm / 4.4mm |
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コネクタ |
0.78mm 2-pin |
| 14 Ω | |
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感度 |
105 dB/mW |
| 周波数特性 |
20 Hz - 20 kHz |
付属品や外装



「Azure」のパッケージはこんな感じ。

内容物は①本体、②イヤーピース、③ケーブル(交換プラグ)、④ケース、⑤説明書等。
欲しいなと思うものは最低限揃っている必要十分なパッケージです。
特に交換プラグは嬉しいですね。


②イヤーピースは2種類・各3サイズ。
写真左側は標準的な弾丸型で傘がやや広めのイヤーピース。
写真右側は開口部が広く、傘がやや狭いワイドボアタイプのイヤーピース。


③ ケーブルの線材は「単結晶銅銀メッキ」
端子はフラットタイプの0.78mm 2PIN。
交換プラグは 3.5mm / 4.4mm の2種類で付け替え可能。
L字型なので使い勝手も良いですね。
ケーブルは細くて取り回しも良く、スライダーもそこそこ機能します。


ビルド・音質共にクオリティは必要十分なくらいで、このまま使っても支障はないと思います。ただし、各音域での物足りなさを補うためリケーブルを視野に入れるのもアリだと思います。


④ケースはレザー風で、本体、ケーブル、イヤピ位なら十分入るくらいのサイズ感です。
本体・装着感等について
本体・造形について

「Azure」の文字が刻印された、青空を想起させるマーブルのフェイスプレートが印象的。所どころにラメも散りばめられています。
クリアパープルの筐体も綺麗ですね。ビルドクオリティもしっかりしています。安物の樹脂製イヤホンと違い、ちゃんと密度を感じる樹脂製です。



端子部分は凹みのないフラットタイプの0.78mm 2PINです。
ノズル部分は返しがないのでちょっと滑りやすいです。
また、ノズルは長さが短めなので、軸の長いイヤピは装着しにくいかもしれません。
装着感について
「Azure」は樹脂製で片側約6gと軽量。
軸が短く底面が耳介にぴったりくっつくタイプの形状です。
装着感も良く、変な圧迫感も少ないので、長時間のリスニングでも不快感を感じませんでした。
音の感想
視聴環境
・アラサー男の耳 (16000hz)、ドンシャリ(V字、W字)好き
・エージング 50時間
・Fiio JM21 → 本機(EQ、フィルター無し、Lowゲイン)
・音量大きめ(音漏れが聞こえるくらい)
・ケーブル 標準(4.4㎜)
・イヤピ 標準(標準(ワイドボアタイプ))
・主なリファレンス曲(flac音源)
〇藤井風『満ちていく』
〇米津玄師『海の幽霊』
〇RIIZE『Boom Boom Bass』
〇凛として時雨『Telecastic fake show』
〇Vaundy『life hack』
〇女王蜂『01』
〇鹿乃『優しさの記憶』
〇星街すいせい『綺麗事』
〇milet『inside you』
〇宇多田ヒカル『First Love』
〇トゲナシトゲアリ『雑踏、僕らの街』
〇HIMEHINA『LADY CRAZY』
〇アイナ・ジ・エンド『Love Sick』
〇梶浦由記 『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」コンサート』
全体的な印象について
全体的に「中道」を感じる作りです。
行きすぎず、やりすぎず、丁寧に最適なバランスで。
どの帯域をとっても突出した部分が無く、常に聴き心地の良い音を提供する。
2DD+1BAとそれぞれ特徴の異なるドライバーを上手く組み合わせて、一番心地良いバランスを追及したチューニングなのかなと。
まえがきでも触れた日本人・日本の音楽向けというのはこういった部分にも表れているのではないかと思いました。
音色はナチュラルで、中低~低音域の量感によってほんの少し暖色に寄ったり寒色に寄ったりする印象。恐らくDDが担当している部分だと思いますが、この帯域の量感が増えると暖色寄りに、減ると寒色寄りに聴こえるなという感想です。
中高~高音域はスッキリと抜け感のある音色です。
フラットとまでは言えませんが、高音域と低音域が突出しすぎず、中音域が聴きやすいバランスです。謳い文句通りにJPOPなどに良く合いますね。
また、音の小気味良さと抜け感が印象的ですが、音のスピード感としては早すぎず遅すぎずの良い塩梅です。
解像度はA20kなりに十分かなと。高音域はややパリッとした分離感が感じやすく、中低~低音域は暖色よりの音色ですが、しっかりと音の輪郭の表現や響きの抑制はできていて、ぼやけたり団子になったりといった印象はありませんでした。
ちなみに個人的には「大音量」で聴くのが一番バランスが良いと感じました。
※聴力に悪影響が出る可能性が高いのでほどほどに。

※周波数特性:パッケージより
各音域について
低音域
全体的にやや暖色傾向ですが、輪郭はしっかりしている低音域です。
しっかりと制御されており、ボワついたり、団子になったりはしません。
適度な柔らかさとタイトさを上手く両立している印象です。
ミッドベースのアタック感は正確で、一音一音が丁寧に鳴ります。
サブベースは体の芯まで響くような深い音ではないですが、適度な厚みと響きで楽曲を下支えしているのを感じます。
量感としてはフラットよりはやや盛り目、ドンシャリのイメージからするとやや控えめといった感じの塩梅です。
量より質感で勝負している感じかなと思います。
トータルとしては、ベースヘッド(低音好き)には物足りないが、全体のバランスを考えたときには突出し過ぎず適度な量感と優れた質感で楽曲の下支えをしてくれる低音域であると感じました。
中音域
自然と浮かび上がるような聴き心地の良い中音域です。
特にボーカルが一歩前にありつつ、しっかりと中央に据えられている印象です。
表現力も十分で、歌モノとの相性が良いのではないかと感じました。
全体的にはしっとりとした質感や細かい揺らぎの表現が上手く、やや暖色寄りかなと感じましたが、女性ボーカルの高い帯域の部分はスッキリと抜け感があって心地良いです。この辺はハイブリッドの強みを上手く活かしているのかなと。
また、暖色寄りと言っても、楽器類では音の鳴り出しから綺麗に捉えることができ、その後の響きも後味が良く心地良いです。
定位感が良いのもあって、被りで音が埋もれる感じもありません。
歯茎音などの刺激音もほとんど気になりませんでした。
「Azure」は全体的にバランスの取れた「中道」チューニングだと感じましたが、あえて主役を挙げるなら中音域、特に女性ボーカルではないかなと思います。
高音域
明るく煌びやかな高音域ながら、刺さりは無く安全です。
透明感と存在感がありつつも、ハイブリッドだと浮きがちになるシャリシャリ感もなく、上手くBAを扱っているなと感じました。
音量をかなり上げても刺さらなかったので、大音量派の方も安心です。
解像度も十分かつ繊細で、ディティールを捉えやすいです。
上手くロールオフの塩梅を調整できているのか、拡張性や空気感も十分で、伸びやかさと抜け感も感じることができます。
個人的にこれだけ煌めきを出しながら、安全で心地よい高音域に仕上げているのは感心しました。前述の通り主役は中音域という印象ですが、影のMVPはこの絶妙なバランスの上に成り立っている高音域ではないかと思います。
空間表現(ゲームでの利用等)について
サウンドステージは立体的かつやや左右に広めな印象。
かつ前後上下もちゃんと空間があってレイヤーを掴みやすいです。
定位感も良く、特にボーカルがバチっと真ん中にハマる感覚があります。
また、ゲーミングを謳っているだけあって、FPSゲームやASMRで方向や位置を把握するのに非常に有用だと感じました(Apex Legends、ARC Raiders等で確認)。
※ちなみにApexですが、ゲーム側に「フォーカス」と「オリジナル」の音響設定があります。
慣れればどちらでも利用できそうでしたが、Azureの集音精度が良いので、「フォーカス」だと足音が近すぎて最初は距離感が分からなくなるかもしれません。
逆に「オリジナル」だと足音の距離感は適正で聴きやすいですが、そのほかの環境音も綺麗に拾ってしまうので、足音に被ったりします。
Azureがどうというより、根本のゲーム側の問題でもあるのですが、どちらかに慣れるまでは多少試行が必要かもしれません。

おわりに(感想・まとめ)
「BeepAudio Azure」 は、過度な刺激を抑えつつ、音楽の美味しいところを丁寧に引き出す「中道」的なチューニングが魅力的なイヤホンでした。
特にボーカルの表現力と、刺さりのない煌びやかな高音域のバランスは絶妙で、J-POPやアニソンを心地よく楽しみたい方におすすめです。
3.5mm/4.4mm交換プラグが標準付属するなど、ユーザビリティも高く、長く愛用できる一本になりそうです。
突き抜けた個性というよりは、全体の完成度とバランスで勝負するイヤホンで、 美しいクリアパープルの筐体、交換可能なプラグ、そして何よりボーカルが映える上質なサウンドを兼ね備えた本製品。
気になった方は是非一度聴いてみてください。
さて、今回のレビューは以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。

販売・リンク等(AD含)
▷公式X:BeepAudio公式
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