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【DUNU x KOTO  ITO(絃)レビュー】圧倒的ライブ感!賛否両論も納得の今時珍しい尖ったコラボイヤホン。個人的には好きですよ🦍

要点

・ライブ感の再現に全振りした、分析的とは対極にあるリスニング特化機

・圧倒的な量感ながら破綻しない「制御されたゴリラ」的な低音

・低音の海に埋もれず、くっきりと浮き上がるボーカルの分離感

・刺さりを徹底排除したウォームな音色で、長時間聴いても聴き疲れしない

・安全設計と引き換えに女性ボーカルやギターなど中~高音域の伸びやキレはいまひとつ

・高品質なプラグ交換式ケーブルや3種のイヤーピースが付属しており、パッケージが充実

・(総評)好き嫌いは分かれるが(試聴推奨)、ハマると抜け出せない中毒性を持った「味変」に最適な一本

 

 

まえがき

感想文編 #20

今回は DUNU x KOTO  ITO (絃) です。

実は初DUNUですが、幸運なことに福袋で当たり、聴いてみたらかなり面白いイヤホンだったのでレビューすることにしました。

 

DUNU x KOTO  ITO」は中国の大手オーディオブランドDUNU(DUNU-TOPSOUND)と、日本のオーディオレビュアー・かじかじ氏(新ブランド「KOTO」)による初のコラボレーションモデルです。

 

価格は199.99ドル(約3万円前後)。10mmと8mmのデュアルダイナミックドライバーに加え、2基のBAドライバーを搭載したクアッドハイブリッド構成を採用しています。

日本の伝統楽器「琴」にインスパイアされたデザインだそうです。

 

音質については後述しますが、ライブ感を重視した低音強めでボーカルも聴けるとても楽しいイヤホンだと感じました。

 

「DUNU x KOTO ITO」は現在 AmazonのHiFiGoストア, AliexprssのHiFiGoストア で販売中です。

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仕様

スペック 

ドライバー構成(2DD + 2BA)

ダイナミックドライバー:  
10mm 超低域用(バイオセルロースドーム+柔軟エッジ)×1  
8mm 中低域用ダイナミックドライバー(LCP振動板+柔軟サスペンションエッジ)×1
バランスド・アーマチュアユニット:  
中高域用 ×1  
超高域用 ×1 

重量

約6.5 g 

ハウジング素材

3Dプリント樹脂 

フェイスプレート

3Dプリント樹脂 

再生周波数

5Hz – 40kHz 

インピーダンス

37Ω @1kHz 

感度

105dB ± 1 dB @1kHz 

THD

<0.5% @1kHz 

ケーブル素材

4芯 高純度単結晶銅銀メッキ
ケーブル長

1.2m ± 0.1m  

ケーブルコネクタ

0.78 mm 2Pin

ケーブルプラグ

3.5 mm TRS(アンバランス)、4.4mm TRRRS(バランス)

 

ドライバー

DUNU x KOTO  ITO」は2DD+2BAの構成。

10mmと8mmのデュアルダイナミックドライバーがそれぞれ超低域と中低域を担当し、2基のBAドライバーが中高域と超高域をそれぞれ担当しています。

2つのダイナミックドライバー(DD)と2つのバランスドアーマチュアドライバー(BA)を搭載。10mmの大型DDは深みのある超低音を再現し、8mmのDDは中低域の響きと人声の温かみを表現します。BAユニットは透明感ある高音を実現し、ボーカルもクリアに再生します。 

 

※仕様情報・画像等については販売ページより引用

 

 

付属品や外装

「ITO」のパッケージはこんな感じ。

「琴」からインスパイアされたとあるように、琴の弦をモチーフにしたようなデザインを施したパッケージがオシャレです。

 

内装はシンプル。

 

内容物は①本体、②イヤーピース、③ケーブル(交換式プラグ)、④ケース、⑤クリーニングツール、⑥説明書等

欲しいなと思うものは大体揃っている十分なパッケージです。

 

② イヤーピースは3種類。

写真左側は『DUNU S&S (Stage & Studio)』というイヤーピースで、個別売りもされており、円筒形の高密着型のシリコンイヤーピースです。

独特の形状なのでサイズが合わないと悲惨なことになりますが、サイズさえ合えば案外というかかなりフィット感が良く、良い角度で音を届けてくれます。

 

写真右側も別売りもされている『DUNU Candy』という弾丸型のイヤーピース。

形自体は標準的な弾丸型ですが、傘がやや柔らかくフィット感が良いのが特徴です。

 

写真中央の灰色のイヤーピースは名称不明ですが、「Candy」よりやや開口部が広く、傘が硬めの弾丸型イヤーピースとなっています。

 

いずれも付属のイヤピースとしては、かなり品質が高いので、色々と試してみることをお勧めします。

特にこのイヤホンは低音が「命」なので、せっかくの重低音を逃さないよう、自分にフィットしたイヤーピースを見つけましょう。

 

③ ケーブルは4芯 高純度単結晶銅銀メッキケーブル

「DaVinci」に付属しているのと同じ『Leoケーブル』です。

タッチノイズが少なく、取り回しも良いです。

 

端子は凸があるCIEM(埋め込み型)タイプの0.78mm 2PIN

プラグは3.5mmアンバランス / 4.4㎜バランスのプラグ交換式。ネジ式のロック機構があり、勝手に抜ける心配はありません。

 

正直、音質面・使い勝手の面でかなり品質の高いケーブルなので、下手にリケーブルするよりはこのまま使った方が良いかもしれません。プラグ交換式で簡単に3.5mm / 4.4㎜の切り替えができるのも良いですね。

 

④ ケースはそこそこ大き目のサイズで、イヤホン、ケーブル、イヤーピースくらいなら余裕で入ります。

 

⑤ クリーニングツール。あったら地味に嬉しいやつ。

 

⑥ 説明書等。

 

 

本体・装着感等について

本体・造形について

フェイスプレートは青?水色?緑?の中間のような色で、かなり独特な模様が刻まれています。波のような、風のような、不規則な枯山水のような…イヤホンのFPは左右対称で規則的な模様が多いですが、こういう不規則なパターンも良いですね。

 

全体は黒のレジンシェルで、ノズルまで一体成型の樹脂製。

側面にはブランド名KOTOのロゴがプリントされています。

 

端子部分は凹みのあるCIEM(埋め込み型)タイプの0.78mm 2PINです。 

ノズルは前述の通り一体型の樹脂製で、返しがあるので大抵のイヤーピースが装着できるかと思います。

 

 

装着感について

樹脂製で耳にフィットしやすい形状なので、装着感は良いです。

重さは樹脂製として標準的か少し重い位ですが、装着感が良いので長時間の使用でも不快感はなかったです。

 

ちなみに、このイヤホンは低音が命なのでイヤーピース選びがかなり大事になります。

上手く密閉できていないと低音が逃げてしまいますからね。

個人的には「S&S」がフィットしましたが、形状が独特でちょっとサイズ選びが難しいイヤピかなとも思うので、「Candy」も試してみることをお勧めします。

 

 

音の感想

視聴環境

・アラサー男の耳 (16000hz)、ドンシャリ(V字、W字)好き

エージング  50時間

・SHANLING x TANCHJIM M3 Plus → 本機(EQ無、F1、Lowゲイン)

・音量大きめ(音漏れが聞こえるくらい)

・ケーブル  標準(4.4㎜)

・イヤピ  標準(S&S)

・主なリファレンス曲(flac音源)

  〇藤井風『満ちていく』

  〇米津玄師『海の幽霊』

  〇RIIZE『Boom Boom Bass』

  〇Mrs. GREEN APPLEライラック

  〇凛として時雨『Telecastic fake show』

  〇RADWIMPS会心の一撃

  〇Vaundy『life hack

  〇女王蜂『01』

  〇鹿乃『優しさの記憶』

  〇星街すいせい『綺麗事』

  〇milet『inside you』

  〇宇多田ヒカル『First Love』

  〇トゲナシトゲアリ『雑踏、僕らの街』

  〇Kalafinaアレルヤ

  〇HIMEHINA『LADY CRAZY』

  〇アイナ・ジ・エンド『Love Sick』

  〇梶浦由記 『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」コンサート』

 

 

全体的な印象について

全体的な音色はナチュラル~暖色寄りの印象。

2機のDDがうまく作用している影響か、低音~中低音域を中心に滑らかかつ厚みのある音色で、モニターライクな冷たさはなく、熱気を感じさせる音色です。

また、中高~高音域はBAが担当していますが、いわゆるBAっぽい金属的な不自然さやシャリシャリ感はほとんど感じません。

 

チューニングとしては「the 低音」の楽しいドンシャリ

優等生?ハーマンチューニング?なにそれおいしいの?と言わんばかりの振り切ったサウンドです。

まず圧倒的な存在感の低音があり、次に低音に埋もれないボーカルがあり、そして刺さりのない聴きやすい中・高域があります。

かじかじ氏本人が述べているように「ライブで聴いている時の音圧や躍動感をイヤホンで再現」するために、かなり割り切ったチューニングになっていると感じます。

その言葉通りに、ロックやポップス、特にその中でもライブ(ハウス)映えしそうな楽曲がとことん映える熱量の高いサウンドになっています。

とはいえ音楽として破綻するほどではなく、曲にもよりますが、やや低音が過剰ながらも全体としては不思議とまとまりのある印象さえあります。

 

解像度はぼちぼちといった印象。少なくともモニター的とは言えません。

ただパッと聴きの解像感は悪くなく、BAが良い作用をしているのか全体としては暖色傾向でありながらある程度のクリアさも感じます。滑らかな解像度の良さと言いましょうか。

楽器とボーカルのレイヤリング(分離感)はとても良いです。低音がこれだけ出ながらボーカルがマスクされずに主張出来ているのは調整の妙を感じます。一方で、複雑な、楽器の音数が多い楽曲では楽器同士の混濁や、音の団子感を感じる場面もありました。

やはり「ライブの再現」を目指しているだけあって究極のリスニング向けサウンドという感じで、モニター的な用途とは無縁ですね。

 

全体としては低音域とボーカルを中心に、温かみがあり滑らかな音色で、ある程度刺激的になりえる部分をロールオフ(犠牲に)しつつ、圧倒的なライブ感を実現しています。それでいて、ちゃんと楽曲としては聴けるバランスに収まっているはDUNUのチューニング技術の上手さでしょうか。

高音域のロールオフによる物足りなさと、中高音域がやや凹んでいる感じはちょっと気になりましたが、総じて面白みのある良いチューニングだなと感じました。

 

※周波数特性:公式販売ページより

 

 

各音域について

低音域

このイヤホンの主役です。

他音域に比べて圧倒的にフォーカスされているのを感じます。

 

質感としてはややタイト寄りで上手く制御された低音域です。

ただ、ドライでカチッとした硬い低音ではなく、弾力がありやや余韻が広がる低音で、曲によっては時折滲みを感じることもあります。

ミッドベースでは弾力感とパンチ力が非常に力強く、特にバスドラのキック音が印象的で、ダムダムと胸を打つような振動が響きます。

サブベースは深く沈み込み、楽曲を下から持ち上げるような存在感です。一方で体の芯まで届くような響きには一歩足りないかな、とも感じました。

個人的にはどちらかというとサブベースの響きよりも、ミッドベースの音圧の方が印象に残りました。

 

量感については確かにかなり多く、バスヘッド(低音愛好家)向けの🦍です。

が、個人的にはまだ常識的な範囲内の『制御されたゴリラ』という感想です。

身構えて聴くと「まあこんなもんか」という感じで、ベースが主役級の曲とかを聴くと「低音多っ!」てなるくらいの感じです。

本当に曲によるのですが、もともと控えめだったベースが豹変して全てを食らいつくすような暴虐ではないです。あくまで音楽として、製品として聴ける範疇での低音域にまとまっていると思います。

(イヤーピースの装着具合や、上流、聴く楽曲にもよると思います。たまに暴れます。)

 

中音域

ウォームで滑らかな中音域で、ボーカルが準主役です。

 

ボーカルは一歩前、やや前傾的に定位します。そのため低音域が強力でありながらも埋もれてしまうことなく上手くレイヤリングされています。

男性ボーカルについては、低音の厚みがチェストボイスを支え、非常に力強く、リッチに響きます。藤井風とか特に良いですね。

女性ボーカルは穏やかで、優しく刺さらない音です。

一方で抜け感やエッジはカットされており、耳障りの良い音ではありますが、特にハイトーンボイスにおける物足りなさは否めません。

 

楽器に関しては太い中低音に属する音のボディは非常に豊かで魅力的です。

一方で中高音域~のギターやシンセの音はエッジや伸び、抜け感といった点で正直かなり物足りないです。この辺は安全さとトレードオフとしているのかなと思います。

 

全体としてディテールを細かく描写するような中音域ではなく、刺激的な部分を排除しつつ、音楽を一体として心地よく響かせるチューニングです。

 

高音域

刺さりのない安全設計な高音域です。

量感としてはやや控えめ。高音好きとしては物足りなさは感じますが、低音一辺倒ではなくある程度出ているなと感じる程度には存在感はあります。

アクセントとしての高音域という感じです。

 

質感としては金属的な響きが抑えられ、滑らかで聴き心地の良い高音域だと思います。

一方でシンバルのような楽器のアッタク感や煌めきは控えめです。

 

全体としては超高音域のBAのおかげか、うまく空気感を作って閉塞感を回避している印象です。ただやはり伸びやかさやキレという点では物足りないかなと思います。

 

 

空間表現(ゲームでの利用等)について

サウンドステージは頭内で完結する感じで、上下左右とも標準的な広さな印象。

とはいえ上手く抜け感を作っているので「低音強め、密閉型」のワードでイメージされるほど閉塞感は強くありません。

 

定位感はボーカルを中心に上手くレイヤリングされており悪くないと思いますが、すべての楽器がビシッと配置されているかと言われると、少しぼやける部分も感じます。

 

ちなみに、お察しの通りASMRやFPSにはあまり向きません。低音強すぎるので。笑

 

 

おわりに(感想・まとめ)

正直好き嫌いが分かれるイヤホンだと思います。個人的には好きですが。

特に中高音域~高音域のロールオフ具合は賛否あるポイントでしょうね。安全ながら上手く抜け感を精一杯に出している感じはしますが、伸びやかさや煌びやかさを損なっていると言われればその通りという感じではあります。

(個人的にはライブ感というと、ベースもそうですがシンバルやギターの生々しい刺さり具合も魅力かなと思うので、もう少しぶっ飛んだチューニングでも面白かったかなとは思います。)

 

とはいえパワー溢れる低音域と、前面に出たボーカルを中心に破綻なくまとめているのは流石のチューニング力だと感じましたし、全体としてライブ感を目指したという意図も汲み取れる楽しい音に仕上がっているとも感じました。

原曲再現とかモニターライクとか、そういう言葉とは程遠いです。そういう意味ではかなりターゲット層は絞られていて、このライブ感が好きな人はとことん好きだろうなと思います。

私個人はどちらかというと高音の方が好きな部類ですが、同時に低音も愛しているので、このクセになる低音もかなり好みですし、ふと「あ~ITO🦍の低音を浴びたいな~」と禁断症状が出ることもあるくらいにはハマってます。

 

あとは約3万円という価格をどう取るかですね。個人的には味変イヤホンとして一本持っておいても良いかなと思えるくらいではあります。ちなみに、音のインパクトで忘れがちですがケーブルをはじめとするパッケージは十分豪華です。

 

かなり癖があるので試聴推奨ではありますが、とても個性的で面白いイヤホンなので気になった方には是非聴いてみて欲しいですね。

 

さて、今回のレビューは以上となります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

(最後にITOを手に持ったDUNUの公式マスコットキャラクター「DUDU」くんの写真を貼って終わります。可愛いですよね!)

 

 

販売・リンク等

▷公式X:HifiGo公式

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