
要点
・聴き心地が良く、かつ楽しさも失わない完成度の高いチューニング
・6種類のイヤピとプラグ交換式ケーブルなど充実のパッケージで高コスパ
・デザインはアルミ合金製で高級感・軽量性あり、装着感良好
・音質は弱ドンシャリ傾向でバランス良好、解像度・分離感が高め
・低音は締まり良く深みもある、中音域はボーカルがやや前面、高音は明るくクリアで伸びやか
・サウンドステージは横に広く立体感あり、ゲーム・ASMRにも向く
・パンチやフラット志向には不向きだが、普段使い・ステップアップに好適
まえがき
レビュー#23
今回は Agasound - Sublimation です。
Agasound(アガサウンド)は、2013年に中国・広東省で設立された音響機器メーカーです。
ステージなどで使用される、プロフェッショナルグレードのスピーカー・アンプ・マイク等を企画・製造・販売まで全て自社で一貫して行っています。
その経験で培われた音響機器のノウハウを生かし、近年はイヤホンの製品化にも力を入れています。
機能的、それでいて洗練されたスタイリッシュなデザインが特徴的です。
「Sublimation」は、N52スーパーリニアデュアル磁気回路設計を採用したダイナミックドライバーを搭載。セラミックコート振動板を採用したことで硬度が向上、スピーカーの高調波歪みを低減させます。
価格は約16,000円。後述しますが音質・付属品共に十分以上の満足度で、この価格帯ならかなりコスパが良いオススメできる一本だと感じました。
なお、今回の製品はレビューのため 株式会社伊藤屋国際 様よりご提供いただきました。ありがとうございます。
この依頼に際し、製品提供以外の金品授受その他便宜の提供はございません。また、内容に関して指示等は一切なく、完全に私の知識と経験に基づき感じたままをレビューしています。
「Sublimation」は現在、 Amazon 及び 直販サイト で発売中です。
付属品や外装



「Sublimation」のパッケージはこんな感じ。
シンプルかつ小綺麗にまとまっていて、この価格に求めるクオリティとしては十分。

内容物は①本体、②イヤーピース(6種類)、③ケーブル、④ケース、⑤説明書等です。

②イヤーピースは6種類とバラエティー豊富。
全て弾丸型ですが、それぞれ微妙に硬さや高さ、径の広さが異なるので、自分に最も合うイヤーピースを探せると思います。




③ケーブルの線材は「高純度OFC(無酸素銅)」で、本体に似合うシックなカラーが印象的です。
端子は埋め込みに対応したCIEM 2PINタイプ。
ですが、本体の差込口はフラット2PINタイプなので、ここはフラットでよかったんじゃないかなと感じました。とはいえ凸部分は透明なのでそこまで目立ちません。


プラグは3.5㎜ / 4.4㎜の交換式です。
この価格帯だとどちらか一方を選択して購入しなければならないパターンが多いので、この仕様はとてもありがたいですね。


④ケースはセミハードタイプのレザーケースで本体・ケーブルが収納できるサイズ感。
高級感があり、カラーも落ち着いているので普段使いにも良さそうです。
本体・装着感について
本体・造形について

「Sublimation」の本体は航空機グレードアルミニウム合金でできており高級感があります。ややマットな質感で傷や指紋は目立ちにくいと思います。
FPにはほんの少しだけ凹凸があり、光の加減による絶妙な濃淡がカッコいいです。
赤色のラインが印象的で、個人的には写真映えも良くかなりオシャレだと思います。


端子部分はフラットな0.78mm 2pinタイプで汎用性◎です。
(一方前述の通り標準ケーブルが埋め込み2PINなのが残念ですが…)


側面には「Agasound」のロゴも印字されています。
ノズル部分は径がやや太めですが、返しが付いているので、大抵のイヤーピースが装着できるかと思います。
装着感について
「Sublimation」は一般的ないわゆるIEM形状のイヤホンで、フィット感は良いです。
金属製ですがアルミなので軽く、長時間のリスニングでも不快感を感じませんでした。
イヤピースがしっかり合っていることが前提ですが、変な圧迫感もなく遮音性も良い感じです。
アジア人の外耳道のスキャンデータに基づき、耳介の形状・傾斜・角度の異なる様々なモデルを構築。
多くのユーザーの外耳道の直径と曲率に適合するデザインが完成しました。
インイヤータイプのイヤホンの特徴でもある、異物感・圧力感・圧迫感を徹底的に軽減しています。(製品ページより)
ドライバー
構成としては、ダイナミックドライバー一発の、いわゆる1DDの構成ですね。
SublimationにはN52スーパーリニアデュアル磁気回路設計を採用したダイナミックドライバーを搭載しています。これにより超高域の帯域幅と周波数特性を変更可能に、周波数共振を最適化することで、より自然で心地よいサウンドを実現します。
更にセラミックコート振動板を採用したことで硬度が向上、スピーカーの高調波歪みを低減させます。(製品ページより)

ドライバー仕様:10㎜ムービングコイルドライバー
ドライバータイプ:DMS2.0デュアルマグネット銅キャピティ
振動板材質:ダイヤモンドライク蒸着セラミック振動板
音の感想
視聴環境
・アラサー男の耳 (16000hz)、ドンシャリ(V字、W字)好き
・エージング 50時間
・Fiio JM21 → 本機(EQ、フィルター無し、Lowゲイン)
・音量大きめ(やや音漏れが聞こえるくらい)
・ケーブル 標準(4.4㎜)
・イヤピ 標準(黒赤)
・主なリファレンス曲(flac音源)
〇藤井風『何なんw』
〇米津玄師『海の幽霊』
〇RIIZE『Boom Boom Bass』
〇凛として時雨『Telecastic fake show』
〇Vaundy『life hack』
〇女王蜂『01』
〇鹿乃『優しさの記憶』
〇星街すいせい『綺麗事』
〇milet『inside you』
〇宇多田ヒカル『First Love』
〇トゲナシトゲアリ『雑踏、僕らの街』
〇HIMEHINA『LADY CRAZY』
〇アイナ・ジ・エンド『Love Sick』
〇梶浦由記 『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」コンサート』
全体的な印象について
個人的にかなり好みでした。
音色としてはニュートラルで、ウォーム過ぎずソリッド過ぎずの良い塩梅。
チューニングとしては弱ドンシャリで、重心はやや高め。
聴いていて変に突出した部分がなく、バランスの整った聴き心地の良さを感じます。
とはいえ、面白みの全くないフラットな纏まり方というわけでもなく、ボーカルが聴きやすく、低音に存在感があり、高音は煌めく…というちょっとした音楽的な味付けも感じます。
しっかりと音楽の楽しさも味わえるイヤホンです。
解像度は高めだと感じました。分離感も良く明瞭で、どんな細かい音でも鳴らしてくれそうなポテンシャルを感じる音質です。
なお、4.4㎜(バランス接続)/ 3.5㎜(アンバランス接続)のプラグの違いでも結構印象が変わったので、どちらも試してみることをお勧めします。
個人的には、より輪郭を濃く感じる4.4㎜の方が好みでした。

各音域について
◎低音域
主張しすぎないがしっかりと存在感がある低音域です。
締まりが良く変にボワつくこともありません。
ミッドベースはキレ良く弾むように楽曲の下部で踊ってくれます。
サブベースもちゃんと出ていて、低音に深みと厚みを与えてくれている印象。
他音域へのクロスオーバーも感じず、心地良く聴くのに丁度いい低音域という感じです。
ただ、主流の中華イヤホンのドンシャリと比べると全体的にやや軽く、ベースヘッド(低音大好き)には物足りないかもしれません。
◎中音域
ドンシャリにありがちな中音域の凹みは最小限という印象です。
むしろボーカルはやや前面にでており、聴きやすいのでW字のような印象でした。
適度な艶感もあり、ボーカルをちゃんと聞きたい!という方にもおすすめです。
特に女性ボーカルは伸びやかさを感じて、聴いていてかなり心地良かったです。
上手くロールオフされているのかs,tの歯茎音も気になりませんでした。
楽器類の音も埋もれることなく一音一音を明瞭かつ質感良く鳴らしてくれます。
個人的にはエレキギターの音がキレと伸びやかさを感じて好みでした。
◎高音域
クリアで明るく、見通しの良い高音域です。
キラキラ感があり、拡張性も十分に感じますが、刺さるほどではない絶妙な塩梅です。
変にシャリついて不快に感じる場面もほとんどありませんでした。
とはいえやや強調された高音域なので、音源のバランスや音量によっては刺さりが気になるかもしれません。
個人的には粒立ちと伸びやかさを上手く両立しつつ、聴き心地も良い非常に上手なチューニングだなと感じました。
空間表現(ゲームでの利用等)について
サウンドステージはやや横方向に伸びつつ立体的。
ある程度奥行きもあり、空間を感じやすいと思います。
定位感も十分で、適度な距離感で音が鳴ってくれるので、ASMRやゲームでも使い勝手が良いと感じました。
FPSゲーム(Apex Legendsで確認)での使用について、足音は聞き取りやすいですが、音量によっては銃声の高音が刺さるかもしれません。
また、それ以外のRPGやアクションゲーム(ペルソナ5X、ELDEN RINGで確認)では、遮音性の高さ、低音をはじめとした各音域がしっかり出ていることから、ゲームへの没入感と迫力を演出してくれてかなり良い感じでした。

おわりに(感想・まとめ)
「Sublimation」は全体的なクオリティ、そして特にサウンドチューニングの点で洗練された、高い完成度を感じる製品でした。
流石、プロフェッショナルグレードの音響製品を作っているメーカーなだけあるなあと感じます。
1.5万円付近のイヤホンも近年は激戦区となっていますが、個人的にはその中でも一歩抜きんでたコスパの良さだと思います。本体のデザインもカッコいいですし、ビルドクオリティも高く、付属品も充実しています。
これが国内1.5万円付近で買えるなんてすごいなあ、と日進月歩の中華イヤホン業界に感心しきりです。
強いパンチを求める方、完全なフラットを求める方には向かないかもしれませんが、バランスの取れた聴き心地の良いドンシャリを求める方には是非試してほしいと思います。
ミドルクラス以上のイヤホンが基準の方には普段使いしやすい一本として、エントリークラスが基準の方には高コスパののステップアップとして、お勧めです。
さて、今回のレビューは以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
販売・リンク等(AD含)
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