
要点
・1DD+5BA構成のハイブリッドイヤホン
・チューニングは弱ドンシャリ傾向(やや寒色寄り)
・解像度・分離感と抜け感に優れ、特にロック系で好相性
・半開放型構造で開放的な音場。音漏れはあるが抜け感の良さに寄与
・軽量でフィット感が良く、装着感は軽快で快適、長時間でも疲れにくい
・低音は制御されキレ良くタイト、中音はボーカルが自然に前へ、高音は透明感あり抜けが良く伸びやか
・(総評)KZの集大成的完成度で高コスパ。約1万円前後で多ドライバー構成・高解像・開放感を楽しめる。入門機やKZ初体験にもおすすめ
まえがき
review #29
今回は KZ ZS12 Pro2 です。
「ZS12 Pro 2」は「KZ(Knowledge Zenith)」による1DD + 5BAの多ドライバー・ハイブリッドイヤホンで、今までのKZの精神も受け継ぎつつ、そこからさらに洗練されたデザイン・チュー二ングを施された製品として登場しました。
なお、過去の系統製品のKZ ZS12 PRO Xであったスイッチ機構は非搭載です。
「ZS12 Pro 2」は、1DD + 5BA (ダイナミックドライバー1基とバランスドアーマチュアドライバー5基) のドライバーを組み合わせることで、優れた音質と豊かで詳細なオーディオ体験を実現します。
また、ゲーミングイヤホンとしても「1DD+5BAハイブリッドドライバー」「プロ電子クロスオーバー」「高精度音場制御」 の三位一体システムにより、ゲームサウンドの「空間認識」「瞬間反応」「ダイナミックレンジ」を極限まで高め、プレイヤーに「サウンドによる情報優位」を提供します。
なお、今回の製品はレビューのため KEEPHIFI.JP公式 様よりご提供いただきました。ありがとうございます。
この依頼に際し、製品提供以外の金品授受その他便宜の提供はございません。また、内容に関して指示等は一切なく、完全に私の知識と経験に基づき感じたままをレビューしています。
「ZS12 Pro 2」は現在 AmazonのYinyooストア で販売中です。
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締切時間:2025-11-20 23:59 JST
仕様
スペック
|
製品名 |
ZS12 Pro 2 |
|
周波数応答範囲 |
20Hz ~ 40000Hz |
| 35Ω | |
|
感度 |
109dB±2dB |
|
プラグタイプ |
3.5mm / Type-C |
|
ピンタイプ |
0.78mm |
|
ケーブル材質 |
ダブルパラレル銀メッキワイヤー |
|
ケーブル長 |
120±5cm |
ドライバー

「ZS12 Pro 2」は、1DD+5BAのハイブリッド構成。
10mmフルレンジ・スーパーリニアダイナミックドライバーと5つのカスタムバランスドアーマチュアドライバーを組み合わせ、最適の音響比率を実現。
ダイナミック型とバランスドアーマチュア型ドライバーがそれぞれ異なる周波数帯域を担当し、音の分離度を効果的に向上させ、ボーカルと楽器音をクリアに再現します。


10mmの大型ダイナミックドライバーにより低音域を力強く再現しつつ、5つのBAが中音域~超高音域を細部まで繊細に表現しています。
1DD+5BAの多ドライバー構成は、単に「数を増やす」だけではなく、「各ドライバーの長所を最大限に活かす協調作業」が求められます。
電子クロスオーバー基板は、まさにこの「協調」を制御する「指揮者」の役割を担い、DDの「力強さ」とBAの「繊細さ」を**「1+1>2」の相乗効果**で結びつける。
その結果、KZ-ZS12 Pro 2中華イヤホンは「低音の迫力」「中音の厚み」「高音の透明感」をバランスよく兼ね備え、あらゆるジャンルの音楽に対して「本物の音の魅力」を届けることができるのです。
(引用・画像はAmazonの製品ページより)
付属品や外装



「ZS12 Pro 2」のパッケージはこんな感じ。
いつものKZですね。シンプルで無駄のないパッケージング。

内容物は①本体、②イヤーピース、③ケーブル、④説明書等です。
こちらもいつものKZと同じでかなりシンプルです。
正直元値が9kくらいと考えると付属品は物足りないですが、KZはずっとこのスタイルである意味ブレてないので、この価格を本体代として理解できる方向けだと思います。

②イヤーピースは1種類・3サイズ。
こちらもいつものKZ付属イヤピ。「フジツボ」なんて言われたりもしますね。
やや硬く弾力のあるシリコン製で、正直安っぽさは否めません。
ただ個人的には案外フィット感が悪くないのでそのまま使ったりしています。

④ケーブルもいつものKZで、超シンプルな2芯の「銀メッキ線」。
購入時マイクの有無を選べます。今回はマイク無しを提供いただきました。


端子はいわゆるQDCタイプの0.78mm 2PIN。
プラグは購入時に3.5mm / Type-Cを選択できます。今回は3.5㎜を提供いただきました。
正直ハイクオリティとはお世辞にもいえないケーブルではありますが、普通に音楽を聴く範囲で大きな問題はありません。
ただ、個人的にはリケーブルによってさらにポテンシャルを引き出せると考えているので、バランス化したい・少し物足りない等があったときにはリケーブルしてみることをお勧めします。
本体・装着感等について
本体・造形について

「ZS12 Pro 2」のカラーバリエーションは「ブラック」「シルバー」の2種類。
今回はシルバーを提供いただきました。
FP(フェイスプレート)は金属製、ハウジング部分は樹脂製になっています。
FPにはベント(穴)が開いており、オープンバック(半開放型)と言えるような仕様です。なので音漏れがけっこうあります。
仕上がりは十分で全体的にしっかりとしたビルドクオリティだと思います。



端子部分はいわゆるQDCタイプの0.78mm 2PINです。
ノズル部分は返しが付いているので、大抵のイヤーピースが装着できるかと思います。
装着感について

「ZS12 Pro 2」は比較的軽量で、フィット感も良いためそれほど重さは感じません。
形状による装着感も良く、密閉による圧迫感も少ないので、長時間のリスニングでも不快感を感じませんでした。
音の感想
視聴環境
・アラサー男の耳 (16000hz)、ドンシャリ(V字、W字)好き
・エージング 50時間
・Fiio JM21 → 本機(EQ、フィルター無し、Lowゲイン)
・音量大きめ(音漏れが聞こえるくらい)
・ケーブル 標準(3.5㎜)
・イヤピ 標準
・主なリファレンス曲(flac音源)
〇藤井風『満ちていく』
〇米津玄師『海の幽霊』
〇RIIZE『Boom Boom Bass』
〇凛として時雨『Telecastic fake show』
〇Vaundy『life hack』
〇女王蜂『01』
〇鹿乃『優しさの記憶』
〇星街すいせい『綺麗事』
〇milet『inside you』
〇宇多田ヒカル『First Love』
〇トゲナシトゲアリ『雑踏、僕らの街』
〇HIMEHINA『LADY CRAZY』
〇アイナ・ジ・エンド『Love Sick』
〇梶浦由記 『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」コンサート』
全体的な印象について
やや寒色傾向で、BAらしいややドライな音色です。
とはいえカリカリ過ぎるほどではなく、音楽的な表現力も損なわない範囲です。
チューニングとしてはドンシャリ(V字)傾向で、重心はやや高め。
KZの中ではかなり「安定している」バランスで、高音域がやや強めな弱ドンシャリぐらいの感覚です。
分離感や解像度もアンダー10kと考えれば十分で、情報量も豊富に感じました。
分離感・開放感・音楽的なまとまりがバランス良く成り立っており、その点でもしっかりと調整されている印象です。
なお、最初は低音域が物足りないかもな~という印象だったのですが、エージングしたらかなり良い塩梅に低音域も出てきてくれたので、ある程度DDに火入れ(バーンイン)してあげるのが大事かもしれません。
エージング後の全体の印象としてはリスニング志向のバランスがよく聴きやすいドンシャリチューニング、かつ分離感や解像度も十分といった感じで、かなり好印象になりました。
どんな曲でも行けるポテンシャルを感じますが、特にROCKが良いです。

各音域について
低音域
ややタイトな良く制御された低音域でキレと弾力を感じます。
適度なパンチ力があり、ドラムのキック感が良いですね。
エージング後の量感はやや控えめ〜中程度くらいの印象。
にじみが少なく他の帯域の邪魔をしないため、スッキリと聴きやすい印象です。
また、レスポンスも十分速く、もたつきを感じません。
サブベースとミッドベースのバランスも良好で、自然な感じ。
弾力に優れ、沈み込みも十分ですが、やや響きが軽いと感じる人もいるかもしれません。この辺りはリケーブルによる改善も期待できます。
トータルとして派手さは少なく、ベースヘッド(低音好き)には物足りないかもしれませんが、音楽性と自然さを両立した良い塩梅の低音だと思います。
中音域
中音域はドンシャリでありがちな奥まり方はあまりしておらず、ボーカルが自然で聴きやすい範囲に収まっている印象です。
むしろ弱W字型とも取れるくらいには、ボーカルも一歩前に出てきてくれる印象なので、ボーカル重視の人も聴ける調整だと思います。
中高音域が特に良く、伸びやかさとキレを感じます。音量を上げ過ぎるとs,t音でやや刺さりますが、基本的にはピークは上手く抑えてあるので、不快な刺さりは少ないでしょう。
半開放的な構造のおかげもあって抜け感があるのも良いですね。
分離感が良いため一音一音が拾いやすく、音の粒が束になっていく感覚で純粋に音楽を楽しむことができます。
ただ、音色的にややドライな印象を受ける場面もあったので、豊かで艶やかな中音域は期待しないほうが良いでしょう。
高音域
キレの良さと抜け感が最高です。
半開放の強みである抜け感が良い塩梅で作用しており、本当に気持ちの良い高音域です。また、適度な明るさと透明感もあり、トレブルや空気感も十分です。
多ドラの利点が十分生かされているなと感じます。
シンバルの響きが心地よいです。
曲によってやや刺さりを感じる瞬間がありましたが、基本的には上手くロールオフされているので音量を上げ過ぎなければ問題ないと思います。ただ、人によっては長時間の視聴で聴き疲れするかもしれません。
空間表現(ゲームでの利用等)について
サウンドステージは幅・高さともやや広めで、半開放の抜け感が良い作用を及ぼしているのを感じます。
定位感も良好で、ASMRやゲームでも使えると感じました。
FPSゲーム(APEX LEGENDSで確認)でも十分音の聴きわけや、位置の確認ができました。変に圧迫感が無いので長時間の使用にもいいと思います。
適度に迫力もあるのでRPGや映画鑑賞なんかにも良いと思います。
おわりに(感想・まとめ)
「ZS12 Pro 2」は、1DD+5BAというハイブリッド構成で、KZらしいドンシャリ傾向ながら、リスニング的にかなりバランスのとれたチューニングが施されており、高解像度と抜け感の良さも相まって高い完成度を感じる製品に仕上がっています。
「もしKZが今の流行にフィットしてバランスの良い多ドライヤホンを作ったら」の一つの完成形だと思います。
1万円前後のイヤホンの入門に、KZの入門に、中華イヤホンの入門に…と正直色々な場面でオススメしていきたい高クオリティ・高コスパな製品だと思いました。
気になった方は是非聴いてみてくださいね。
さて、今回のレビューは以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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