要点
★個人的なオススメ度(※) : 8.5/10
◎付属品や外装に対する満足度 : 8/10
◎デザインや造形に対する満足度 : 8/10
◎装着感に対する満足度 : 9/10
◎各音域に対する満足度(金の場合。[ ]内は銀の場合)
・低音域 : 7.5/10 [8.5/10]
・中音域 : 8/10 [7/10]
・高音域 : 9/10 [6.5/10]
◎空間表現に対する満足度(金の場合。[ ]内は銀の場合) : 8/10 [7/10]
※各項目の平均点ではありません。
※商品に優劣をつけるための点数付けではなく、購入価格($69)に対する自分の満足度の総評です。
※個人的に好みだった金フィルターを装着時の満足度です
≪GOOD≫
・2種類のフィルターによって異なるサウンドを楽しめる
・銀フィルターは暖色で中低音にフォーカスしたまとまりがある聴き心地の良い音
・金フィルターは明るく中高音域にフォーカスされた開放的で分離感も良い音
・特に金フィルターは前作からの技術的な進化を感じれて◎
・フィット感が良く長時間の使用でも快適
≪NOT GOOD≫
・フィルターで様々な音楽に対応できるが、一長一短で器用貧乏感がある
・フィルターの付け替えが面倒。どちらかに好みが無いと厳しい
まえがき
こんにちは、初心者の感想文#10です。
またまた少し間が空いてしまいました。こんな感じでダラダラと続けてきたブログですが、今回でなんと通常回10回目です。自分でも良く続いてると思います。ある意味記念回ですね。
記念といえばアニバーサリー、アニバーサリーといえばKEFINE & ANGELEARS の Delci AnniversaryEditionでしょう。(無理やり)
このAEくん2024年7月末には発売されており、自分も発売直後に買っていました。
前作Delciの記念版として2種類のフィルターを引っ提げて登場したわけですが、無印を聴くまでは感想書けんなと思っていたところ、つい先日所有している友人から聴かせてもらうことができましたので、ついに筆を執るに至ったわけであります。
無印を聴かせてもらった感想としては、前作はやや暗めの暖色傾向で、中低音域が特徴的な機種でした。
対して今回のAEでは銀フィルターが前作に近く、金フィルターはガラッとフォルムチェンジしている印象で、それぞれの特徴の差が面白かったです。
比較しつつ感想文を綴りましたので、ゆるりとご覧いただければ幸いです。
付属品や外装
(満足度:8/10)
ケーブルは購入時に3.5mm/4.4mmから選ぶ形式で、今回は4.4mmをチョイスしました。
リケーブルする人が多いとはいえ、この選択肢があるのは地味に嬉しい。
このケーブルは、72ストランドの Ø0.05mm無酸素銅 (ofc) ワイヤーと92個の Ø0.06mm銀メッキ (spc) ワイヤーで構成され、合計164本のワイヤーが設計に使用されています。-Aliexpress販売ページより
無酸素銅と銀メッキ線の混合線ということで、決して質は悪くありません。
正直リケーブルしなくても必要十分な性能だと思います。
イヤーピースは2種類各3サイズです。青いやつはkbear 08かな?個別で販売しているくらいには使い勝手のいいイヤピなので有難いですね。
ただ、ノズルの径がやや広めなので、個人的には開口部分が広めなイヤーピースを別途用意することをお勧めします。(ex. TRI 角笛、SpinFit W1、DIVINUS VELVET WIDE BORE、AZLA SednaEarfit ORIGIN)
レザーケースが付いているのも地味に嬉しいポイント。太いリケーブルだと厳しいかもしれませんが、標準ケーブルとイヤピくらいは普通に入ります。
そして目玉の交換フィルター。それぞれ金と銀の着色なので違い話わかりやすいと思います。小さいので失くさないよう注意が必要ですね。
本体デザイン・造形
(満足度:8/10)
滑らかに加工された金属筐体で、シンプルなシルバーカラーです。
表面はややザラザラとしたマット加工で、指紋や汚れは全く目立ちません。
ノズルの径はやや太めで、イヤーピースは前述のとおり径の大きいものを選ぶとよいでしょう。
コネクタ部分はフラット2pinで中華イヤホンの主流とも言える端子のため、拡張性は◎だと思います。
半月のような少し変わった形状なので好き嫌い分かれるかもしれませんが、個人的には後述の通り装着感も良く好みでした。
装着感
(満足度:9/10)
筐体はやや小さめ、フィット感は非常に良好で、耳にしっかりフィットするため外れにくいです。金属筐体ですがそれほど重さも感じず、個人的には長時間の使用でも快適でした。
音の感想
視聴環境
・DAP HiBy Music R6 Pro II
・ケーブル 標準(4.4mm)
・イヤピ TRI 角笛
・リファレンス曲
〇藤井風『死ぬのがいいわ』
〇King Gnu『どろん』
〇凛として時雨『Telecastic fake show』
〇Suspended 4th『ストラトキャスター・シーサイド』
〇Owl City『Good Time』
〇milet『inside you』
〇宇多田ヒカル『First Love』
〇トゲナシトゲアリ『闇に溶けてく』
〇LE SSERAFIM『FEARLESS』
全体的な印象について
Delci AEのドライバーは10mmの1DD構成です。
ドライバーの振動板のドームは DLC 素材 (ダイヤモンドライクカーボン) で作られています。 DLC の物理的特性はダイヤモンドと非常に似ています。 音響における DLC の用途は主に、音の伝達速度の速さ、低密度、高弾性、高機械的強度を利用することです。 これらの特徴により、高周波数を十分に拡張し、高音の感度を向上させ (3dB 増加可能)、サウンドを透明で明るくします。 -Amazon販売ページより
また、何度も言及している通り2種類のフィルターがあり、それぞれ音の特性も異なります。
銀フィルターは暖色傾向で中低音域にフォーカスされたまとまりのある音、金フィルターは明るく中高音域にフォーカスされた開放的な音という印象です。
個人的には銀フィルターは前作準拠、金フィルターは前作のやや暗い印象を上手くリチューニングし進化させた印象で、金フィルターの方が好みでした。
ただ、ここは完全に好みの世界だと思いますので、各項目を各フィルターごとに感じたことを記していこうと思います(純粋に2倍なので大変でした。)
各音域について
◎低音域
・銀フィルター(満足度:8.5/10)
暖かみのあるサウンドで、厚みのある重低音が印象的でした。特にサブベースの存在感が強く、量感がありながらも音がもたつくことはありません。
ミッドベースも適度な重さと豊かさがあり、音がしっかり響いてくれます。
ただ他の音域に比べてバランスが重いと感じるかもしれません。
・金フィルター(満足度:7.5/10)
低音域は銀フィルターに比べると少し控えめですが、深いサブベースの表現と響きを損なうほどではありません。
ミッドベースも他の音域とよりバランスが取れており、全体的に引き締まった印象です。
よりクリアで分離感が良い感じがしましたが、低音好きには少し軽く、物足りなく感じるかもしれません。
◎中音域
・銀フィルター(満足度:7/10)
中音域は滑らかで暖かく、ボーカルや楽器の響きが自然に感じられます。全体的に楽曲の中心に位置し、落ち着いた印象です。
滑らかで、ボーカルや楽器の音がナチュラルに響き、分離感があるというよりまとまりの良い温かい優しい音です。
ただ他の音域に比べて少し抑えめな印象で、明瞭さやエネルギーに欠けると感じるかもしれません
・金フィルター(満足度:8/10)
中高音域がより前に出てきて、特に女性ボーカルが力強く表現される印象です。
ボーカルも楽器も音の透明感もより強調され、エネルギッシュかつシャープさが増しますが、若干のきらびやかさが強調されるため、一部では刺さりを感じることもありました。
中低音域は銀フィルターに比べると抑えめで、男性ボーカルはやや軽い印象。ただ見通しの良さが増すので、爽やかな男性ボーカルではむしろ気持ちよく聴けました。
◎高音域
・銀フィルター(満足度:6.5/10)
高音域に関しては滑らかで抑制されており、耳障りにならない全体的に穏やかでリラックスしたサウンドです。
ただ物足りなさと同時に、抑制されたことによるものなのか、筐体内でのビリつきのような余計な響きを感じることがありました。
・金フィルター(満足度:9/10)
明るく透明感のある音で、楽器やハイハットのきらびやかさが際立ちます。細部の描写力が優れており、楽器の高音部分やシャープな音が際立ち、抜け感の良いエネルギッシュな空気感が増している印象です。
刺さりを感じる人もいるかもしれませんが、強調しているにも関わらず刺激はかなりコントロールされた印象で、チューニングの巧みさを感じました。
空間表現について
・銀フィルター(満足度:7/10)
サウンドステージは比較的狭く、楽器が密集している感覚があります。しかし、これは音の温かさと一体感を重視して音楽の心地よさを重視したものではないかと感じました。
・金フィルター(満足度:8/10)
金フィルターでは楽器の配置がより明確になり、イメージングが向上して、サウンドステージの広がりを感じられるようになりました。
技術的なレベルの向上か、もしくは抑制が少ないことによるものなのか、細かいディテールや音の分離感がより優れている印象です。
おすすめリケーブル(見た目重視)
・Angelears Avalon(色違い版)
・Angelears x Yongse Mars
・SoundsGood Cassiterite
・NICEHCK MixDNA
おわりに(感想)
典型的なハーマンチューニングに近いわかりやすいドンシャリサウンドではありますが、その中でも器用な優等生といえるような完成度の高い機種だと思いました。
実際かなりお気に入りで、「困ったらDelci AE」といえるくらいにはよく使っています。
フィルター変えるのは正直面倒なので、気に入った金フィルターばかり使っていますが、パーツ交換で2種類の音を楽しめるというのはガジェット好きとしてはワクワクさせてくれる要素ではあります。
購入価格$69(セール時)に対しては、かなり出来が良いと思いますので、フィルター交換のギミックが気になる方は是非。
さて、今回の感想文は以上となります。
お気づきかはわかりませんが、少しづつブログの形式も変えてみています。
より見やすい形はまだ模索中ですが、今後の進歩にご期待いただけますと幸いです。
次の感想文は近いうちに必ず。
ではまた。