要点
★個人的なオススメ度(※) : 8/10
◎付属品や外装に対する満足度 : 8.5/10
◎デザインや造形に対する満足度 : 8.5/10
◎装着感に対する満足度 : 7/10
◎各音域に対する満足度
・低音域 : 8/10
・中音域 : 8.5/10
・高音域 : 7/10
◎空間表現に対する満足度 : 8.5/10
※各項目の平均点ではありません。
※商品に優劣をつけるための点数付けではなく、購入価格(¥7k)に対する自分の満足度の総評です。
≪GOOD≫
・使いやすいイヤピ(角笛(Clarion))が付いている
・独特なオープンバックのデザインが魅力的、ロゴもカッコいい
・オープンバックで独特の広い音場を感じることができる
・開放型であるがスカスカ感はなく、暖色で一体感のあるバランスの良い音
≪NOT GOOD≫
・思ったほどの抜け感・開放感はなく、分離感がそれなりでごちゃつきを感じるかも
・ポテンシャルを引き出すためにはある程度音量を大きめに取る必要あり
まえがき
こんにちは、感想文#14です。
--2DD、オープンバック(開放型)、金属筐体…これらの単語にピンときた方に是非お勧めしたいのが、TRI Dracoです。
なんだか胡散臭いセールス文句みたいですが、実際これらのワードが大好物の私はまんまとDracoを購入しました。
実際はちょっと思っていたのとは違う部分もありつつ、なんだかんだ困ったときに使うお気に入りの一本になっています。
今回はそんなDracoを使ってみての感想を綴っていければと思いますので、ごゆるりとご覧ください。
付属品や外装
(満足度:8.5/10)
外装はこんな感じ。
7kにしてはしっかりとした造りだと思います。
内容物は①本体、②ケーブル、③イヤーピース、④ケースです。
こちらも7kとして必要十分です。
②ケーブルはフラット2pinです。
4芯OFC銀メッキケーブル、音質はそこそこ。細身で取り回しは悪くないですが、やや絡まりやすいです。左右表記が無く、赤点が右、青点が左という区別方法になります。
プラグの選択肢は3.5mmのみ。
③イヤーピースは角笛(Clarion)、ワイドボア型、弾丸型の3種類9組です。
正直かなり装着感が大切なイヤホンなので、イヤピの選択肢が多いのは良いですね。
角笛(Clarion)は使い勝手が良く人気があるイヤピで、別売りもされています。
④ケースは布製のセミハードタイプ。小さいので本体、標準ケーブル、標準イヤピを入れたらパンパンになります。ロゴはカッコいいですね。
本体デザイン・造形
(満足度:8.5/10)
見るからに独特な形をしていますが、金属筐体の綺麗な仕上げでロゴのカッコよさも相まって、洗練された印象を受けます。
パッと見でわかる円形のオープン部分に加え、ロゴの部分と側面部分の細長い切れ込みもグリル状になっていて、音が抜ける構造になっているようです。
ノズル部分はやや太めで長さは標準的。返しがあるので大抵のイヤーピースが装着できると思います。個人的には装着感を高めるため、付属の角笛や耳穴の形にぴったりくっつくイヤーピースがお勧めです。
コネクタ部分はフラット2pinで、主流の端子なので拡張性は◎です。
装着感
(満足度:7/10)
独特な形をしていますが小ぶりで、個人的にはフィット感も快適で長時間の使用でも不快感はありませんでした。
ただし、金属筐体で人によっては重さを感じるかもしれないのと、硬いため上手くハマらず角が当たり続けると痛いかもしれません。
また、樹脂製の幅があるタイプのように耳介の形にフィットするわけではないので、上手くはめないと低音が逃げやすく、イヤーピース選びが重要だと思います。
音の感想
視聴環境
・DAP HiBy Music R6 Pro II
・ケーブル 標準(3.5mm)
・イヤピ 標準(角笛)
・リファレンス曲
〇藤井風『花』
〇King Gnu『どろん』
〇凛として時雨『Telecastic fake show』
〇ハヌマーン『Fever Believer Feedback』
〇Owl City『Good Time』
〇milet『inside you』
〇宇多田ヒカル『First Love』
〇トゲナシトゲアリ『闇に溶けてく』
〇XG『WOKE UP』
〇花譜 I SCREAM LIVE
全体的な印象について
ドライバーは6mmチタン振動板DDと8mmLCP振動板DDの2DDの構成です。
チューニングは弱ドンシャリという感じですが、中音域が特徴的なので、曲によってはかまぼこ型のような印象を受けるかもしれません。
オープンバックなだけあって音場の広さは感じますが、思ったより抜け感というか透明感や開放感は薄めで、全体的に温かみのあるサウンドに感じます。
解像度は価格なり、分離感はぼちぼちといったところで、音が多いとややごちゃつきを感じます。
ただ、音楽としてのまとまりは良く、スカスカな感じは一切しませんでした。
バランスの取れたチューニングだと思いますが、モニター向けではなくリスニングイヤホンとして聴くのが最適だと思います。
なお、ポテンシャルを引き出すためにはある程度音量を大きめに取る必要があると感じました。音量が小さめだとうまく音が抜けないのかかなり籠もって聴こえます。
各音域について
◎低音域
(満足度:8/10)
低音域はやや強調されているくらいで、ポップスやロックを聴くのに十分なパンチ力と重さがあります。
ミッドベースはは暖かく、豊かで、ボーカルや楽器の存在感をしっかり感じられます。低音域と中音域の繋がりも滑らかです。
サブベースもしっかり鳴りますが、比較的控えめで、重低音を求めると少し物足りなく感じられるかもしれません。
開放型ということでボワついたり、スカスカな低音を想像していましたが、いい意味で裏切られました。ただ深さを感じるような響き方ではないので、重厚な低音を好む方には物足りなく感じるかもしれません。
◎中音域
(満足度:8.5/10)
中音域がやや特徴的で、ボーカルが一歩前に出てきている印象があります。そのため表現が豊かで厚みを感じることができ、特に女性ボーカルは滑らかで力強いです。
男性ボーカルも自然でバランスが取れており、質感と深みが感じられる音色です。
また、ほとんどの曲で歯擦音の問題も見られず、滑らかで聴きやすい印象でした。
全体的に自然で温かみのある、力強い中音域がこのイヤホンの特徴だと思います。
◎高音域
(満足度:7/10)
高音域は滑らかで耳障りさがなく、疲れない聴き心地です。シンバルやハイハットの響きも自然で、強調しすぎず柔らかく響きます。
ただ、輝きと空気感がやや物足りない感じがして、せっかくの開放型なのにイマイチ抜け感が足りないのはここも原因ではないかと思っています。
全体的には自然で穏やかなサウンドが楽しめる高音域という印象です。
空間表現について
(満足度:8.5/10)
十分な定位感だと思います。
ただ音が多い時には、ややごちゃつきを感じ、分離感が物足りない印象です。
※確認に使用した音声
"イヤホン/ヘッドホン専用 【音像定位】 Sound localization"
"イヤホン/ヘッドホン専用【音源移動】足音/FPS/ゲーム/音響技術開発 Sound source movement"
サウンドステージはオープンバックデザインのおかげか横方向の広がりが顕著で、楽器の配置やボーカルの位置が自然に聞こえ、それなりに開放感のあるリスニング体験が楽しめます。
ただ、今一つ想像よりも抜け感がなく平面的に感じられるのが気になりました。
それも含め、この独特な音場と一体感はDraco特有の唯一無二の音だと思います。
おわりに(感想)
ボーカルや中音域を重視し、広いサウンドステージ、温かくリラックスしたチューニングと、多くのジャンルに適応しやすくバランスの良いイヤホンだと思います。
ただ、全体的にあと一歩の物足りなさがあるため、価格なりか、価格にしては良いくらいの評価に収まってしまうような気がします。
とはいえ、バランスの良い使いやすいイヤホンであることは間違いなく、独特の音場の広さという魅力もありますから、セールの時など狙ってみても面白いイヤホンだと思います。
さて、今回の感想文は以上となります。
独身の日セールを皮切りに、年末年始までセールが目白押しですが、自分の財布は耐えることができるのか。新しいイヤホンが届く前に書きかけの感想文を書きあげることができるのか。乞うご期待ください。
ではまた。