
要点
・1DDらしい自然で繋がりの良いサウンド、柔らかく優しい音色
・滑らかで聴き心地の良いU字チューニング
・深く上品な音色で、楽曲を下支えしてくれる低音域
・優しく柔らかい音色で、前面に感じる暖かみのあるボーカル
・クリアかつ煌めきと伸びがあり、明るく広がりを感じる高音域
・上質な付属ケーブルと、3種類のイヤーピースで充実したパッケージ
・分析的、もしくは元気溌剌な音色を求める人には向かない
・装着感がやや難しいのでイヤーピースをしっかり選ぶ必要がある
まえがき
レビュー編#12。
今回はLETSHUOER DX1です。
自社開発のトポロジー振動板を採用した1DD構成のイヤホンで、ラグジュアリーな金属筐体が目を惹きます。
構成部品は全て自社開発で、2年の歳月をかけて開発したそうです。
LETSHUOER 製品のレビュー依頼は初になりますが、同社のS08がかなりお気に入りで愛用しているので、今回のレビューも非常に楽しみでした。
(感想文では#3のGalileo以来のLETSHUOER製品です。)
なお、今回の製品はレビューのため LETSHUOER JP 様よりご提供いただきました。
この依頼に際し、製品提供以外の金品授受その他便宜の提供はございません。また、内容に関して指示等は一切なく、完全に私の知識と経験に基づき感じたままをレビューしています。
DX1は現在、eイヤホン等の各種ECサイトのほか、実店舗でも発売中です。
詳細は 製品ページ をご覧ください。
付属品や外装



パッケージはこんな感じ。

内容物は①本体、②ケーブル、③イヤーピース、④ケース、⑤説明書等。
イヤーピースが3種類付いており、自分に合ったものを選びやすいので好印象です。



②ケーブルは高純度256芯の銀メッキ単結晶銅ケーブル。
フラットな2Pinタイプで、プラグは3.5㎜/4.4㎜の選択肢があります。今回のレビューでは4.4㎜を提供していただきました。
「DX1」には、256芯の銀メッキ単結晶銅ケーブルを採用。導体には高純度の単結晶銅を使用し、Litz構造により高周波帯域でのスキン効果やプロキシミティ効果を低減。さらに銀メッキ処理を施すことで、高域の伝送特性を最適化しています。(製品ページより)
線はやや細めで取り回しも良く、スライダーも機能します。
また、プラグ部分がL字型なのは個人的に結構有難いですね。

③イヤーピースは3種類3サイズの計9セット。
フィット感が特に大切なイヤホンという印象なので、イヤーピースの選択肢が多いのは良いですね。


一つ目は、「TRI 角笛 Clarion」として別売りもされているイヤーピースです。
開口部が広く、ややせり出した形をしています。
個人的には、この角笛をいつものワンサイズ上で着用するのが一番フィット感が良かったです。


二つ目は標準的な弾丸型のイヤーピース。
サイズ感は角笛に近く、軸が硬くてやや長いです。


三つ目は開口部がやや広いワイドボアのようなタイプのイヤーピース。
軸が柔らかくやや短めです。



④ケースは金属製のケースにゴム製のふたが付いているタイプ。
適度なサイズ感で、本体とケーブル、イヤーピースが楽々入ります。
また、ゴムのふたが圧着して密閉されるので、乾燥剤などを入れてイヤホンを保管するのにも使えそうです。
本体デザイン・造形



美しい金属筐体が印象的です。
素材は電解メッキ仕上げのステンレススチール製シェル(製品ページより)。
FPの表面はややザラザラした加工で指紋が目立ちませんが、筐体は綺麗な鏡面仕上げになっているのでやや指紋が目立ちます。
ノズル部分の径はやや太めですが、返しがあるので大抵のイヤーピースは装着できるかと思います。
コネクタ部分はフラット2pinで、主流の端子なので拡張性も◎です。
なお、提供品のため「DEMO」の刻印がされていますが、製品版には当然ありませんので安心してお買い求めください。
装着感
筐体は幅が小さめなので耳が小さい方でもフィットしやすいかもしれません。
金属筐体なのでやや重めですが、フィットすれば長時間の使用でも不快感はありませんでした。
ただ一方で、筐体自体で耳介にフィットさせるIEMのような形状ではないため、イヤーピースがあっていないとぽろりと外れてしまう可能性があります。
イヤーピースが合えば、耳への圧迫感も少ないので装着感はかなり良いです。
なお、装着時や調整時にドライバーフレックス(圧でドライバーがペコペコする)が発生しがちです。一度装着して固定すれば起こりませんが、寝ホンには向かないかもしれません。
音の感想
視聴環境
・アラサー男の耳 (16000hz)、ドンシャリ(V字、W字)好き
・エージング 50時間
・Fiio JM21 → 本機(EQ、フィルター無し、Lowゲイン)
・音量大きめ(やや音漏れが聞こえるくらい)
・ケーブル 標準(4.4㎜)
・イヤピ 標準(角笛)
・主なリファレンス曲(flac音源)
〇藤井風『何なんw』
〇米津玄師『BOW AND ARROW』
〇RIIZE『Boom Boom Bass』
〇凛として時雨『Telecastic fake show』
〇Vaundy『life hack』
〇DUSTCELL『足りない』
〇milet『inside you』
〇宇多田ヒカル『First Love』
〇トゲナシトゲアリ『雑踏、僕らの街』
〇HIMEHINA『LADY CRAZY』
〇アイナ・ジ・エンド『Love Sick』
〇梶浦由記 『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」コンサート』
ドライバ・全体的な印象について
アルミニウム・マグネシウム合金製のトポロジー・ダイアフラムを採用した11mm口径ドライバーで1DDの構成。
「DX1」に搭載された11mmのアルミニウム・マグネシウム合金製ダイナミックドライバーには、LETSHUOER独自のダイヤモンドパターン構造が採用されています。この特徴的なトポロジー振動板は、振動の周波数と振幅を精密にコントロールすることで、音波の伝播を高精度で最適化。歪みを大幅に低減し、音質の表現力を飛躍的に高めています。
より豊かで厚みのあるトーン、広いダイナミックレンジ、そして音楽の息づかいまで感じられるような生き生きとしたサウンドを実現。ハイファイサウンドの新たな可能性を切り拓きます。(製品ページより)
一聴して最も印象的だったのは滑らかで優しい音色でした。
全体的にニュートラル~ウォーム寄りの暖かみのあるサウンドで、歪みを感じさせない自然な音。
高低の重心は偏りすぎることなく、滑らかなU字サウンドという印象。厚みはそこまで感じませんが、中音域・ボーカルが自然に際立って聴こえます。
寒色系のカリカリで分析的な音、元気ハツラツなキレキレのドンシャリではないので、その点はご注意を。
とはいえ、金属筐体のおかげかボワついて輪郭がぼやけるようなことがなく、響き自体はシャープやソリッドとすら感じるくらいにリスニングに十分な解像度とメリハリは備えており、非常に聴き心地が良いです。
個人的な印象としては1DDらしい自然で繋がりの良いサウンド、且つ、優しく滑らかな音色のU字チューニングでリスニング向けの聴きやすいバランスです。

各音域について
◎低音域
ミッドベースよりもサブベースに重点を置いたチューニングという印象です。
そのためアタック感にやや物足りなさを感じますが、ぼわつきが少なく、タイトですっきりした印象で聴き易いです。
響きとしてはサブベースが良く出ているおかげか深く上品な音色で、楽曲を文字通り下支えしてくれています。
個人的には十分な量感であると感じましたが、イヤーピースが合っていないと低音が抜けて悲惨なことになるので、イヤーピースの吟味はしっかりすることをお勧めします。
◎中音域
暖かみのあるボーカルが前面にあり、優しく柔らかい音色で響きます。
このイヤホンの主役は間違いなく中音域でしょう。
特に、中高音域の女性ボーカルが良いですね。艶と張りがあり、心地よく浸れます。
男性ボーカルは厚みが弱い分、少し物足りなく感じる場面もありますが、弾き語りなどは逆に柔らかさや自然さが際立って心地よいです。
楽器類については、曲によってエネルギーやエッジ感が不足している感じを受けましたが、スローテンポの曲などでは逆に角のない調和のとれた音色で良かったです。
全体的に解像度・分離感で殴るタイプではなく、自然で滑らかな音楽としての一体感でユーザーを包み込む印象です。
◎高音域
高音域は中音域までのウォームな印象と異なり、ややソリッドな印象。
かといって硬すぎることはなく明るく広がりを感じる鳴り方です。
クリアかつ煌めきと伸びのある音で、楽曲を彩ってくれます。
量感としては存在感はありつつも他音域の支障にならない程度の必要十分な塩梅。
ピークは抑えてあり、刺さりなどの刺激は感じにくいです。
空間表現について
サウンドステージはそこそこの広さで、横方向に伸びつつ立体的。
高音域の空気感が良い影響を及ぼしている気がします。
定位感も悪くないので、ASMRやFPSゲーム(APEX LEGENDSで確認)でも十分使えると感じました。
個人的にはASMRの臨場感があってかなり良かったです。

おわりに(感想)
1DDらしい自然で繋がりの良いサウンド、且つ、優しく滑らかな音色のU字チューニングでリスニング向けの聴きやすいイヤホンでした。
金属筐体の中華イヤホンだと寒色傾向に振れる製品が多い印象なのですが、DX1は金属筐体を活かしつつも自然なリスニングイヤホンとして完成しています。
内容物も充実していて、良質な付属ケーブル(プラグも選択可能)と、3種類のイヤーピースによってこのパッケージだけで完結できそうなのも有難いですね。
個人的にはA20kとして十分な完成度と特色を持ったイヤホンだと思います。
ナチュラルな音色を求める方、上品な音の彩りに浸りたい方にぜひお勧めします。
さて、今回のレビューは以上となります。
ではまた、次の記事でお会いしましょう。
販売・リンク等(AD含)
DX1は各種ECサイトや実店舗にて定価¥23,000(税込)にて販売中です。
・公式X (@letshuoer_jp):https://x.com/letshuoer_jp
・製品ページ(ナイコム):DX1 – ナイコム株式会社
・e☆イヤホン:LETSHUOER DX1 – e☆イヤホン
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