オーディオ処方箋記録

オーディオ(ポタオデ)の感想文倉庫です

【7HZ - FIVE】低音好きなら釣られていい、片側5DDという誘惑。

要点

≪GOOD≫

・楽しい!!!!!力こそPOWER!!!!!

・5DDによる力強い低音(轟音)とエネルギッシュな高音

・案外バランスが絶妙で、中音域も自然に鳴るため破綻していない

・付属品が充実している

 

≪NOT GOOD≫

・低音好きでも高音域の刺激が苦手、ボーカルが前に来ないとダメな人には向かない

・ある程度の音量がないと理想的なリスニングにならない

・この値段で挑戦的な楽しさを求めれるか

 

 

まえがき

こんにちは、初心者の感想文#9です。

忙しくて少し間が空いてしまいました。

 

今回は「力強く轟音する低音」という、低音好きなら惹かれてしまうキャッチフレーズで一時期話題になっていた片側5DDイヤホン、FIVEです。

 

構成の通りザ・個性派ではありますが、案外まじめなところもあり、トータルしてとても楽しく面白いイヤホンだったので感想を綴っていきたいと思います。

 

 

内容物とか

パッケージはこんな感じ。

ケースはゴムっぽいソフトケースで、本体とケーブル、イヤピまで余裕でしまえます。

 

ケース、予備フィルター、イヤピ、ケーブルと必要十分な構成。

イヤーピースは2種類7組あり、品質も良いので、サイズさえ合えばそのまま使えそうです。円柱型のイヤピは初めてだったのですが、柔らかくくっつきやすいタイプで、装着感に慣れると案外悪くないかもしれません。

 

ケーブルは銀メッキ無酸素銅ケーブルで、四本の線が編み込みではなく並列でつながっている、いわゆるきしめんタイプの平たいケーブルです。個人的には音も悪くないで好きですが、取り回しの部分では好き嫌いが分かれるかもしれないです。

 

 

イヤホン本体

フェイスプレートはシルバーでメタル感がありますが、正直のっぺりとした印象。

ここのデザインは好き嫌いありそうですね。

 

ハウジング部分はクリアなプラスチックなので中のドライバーを見ることができます。

Wow,ほんとに5個ドライバーがあるよ…

 

やや厚みがあり、大きいなと感じましたが、装着感は悪くなく、重さもそれほど気にならなかったので、5DDでこのサイズに収めているのは逆にすごいのかもしれません。

ノズル部分はせり出していますが、イヤピを付ける部分はやや短めです。軸の長いタイプのイヤピは付けにくいかもと思いましたが、返しがしっかりあるのでそれほど問題はないかもしれません。

 

 

 

音の感想

視聴環境

DAP  HiBy Music  R6 Pro II

・ケーブル  標準(4.4mm)

・イヤピ  標準(赤)

・リファレンス曲

  〇藤井風『死ぬのがいいわ』

  〇Maroon 5Sunday Morning

  〇King Gnu『どろん』

  〇凛として時雨『Telecastic fake show』

  〇Suspended 4th『ストラトキャスター・シーサイド』

  〇Owl City『Good Time』

  〇milet『inside you』

  〇宇多田ヒカル『First Love』

  〇トゲナシトゲアリ『闇に溶けてく』

  〇LE SSERAFIM『FEARLESS』

 

 

全体的な印象

個人的にある程度のエージング(バーンイン)推奨です。(公式も推奨)

 

とにかく低音!かと思いきや、案外他の音域もまとまっています。

印象的なのは低音域と高音域ですが、それぞれ強調されつつも破綻せず中音域も自然に保たれていて、うまくバランスを取っている印象です。

全体としてちゃんと音楽として聴けるバランスで、多ドラによるPOWERを楽しめます。

 

音の再現度については、もっと大味な予想でしたが、音数の多い音楽でも細部まできちんと表現されおり、分離感・解像度も十分に良好だと思います。ただ同価格帯の他製品と比べて優位であるとまでは言えないので、そこを期待して聴くほどではないでしょう。

 

なお、あまりにボリュームを上げすぎると聴力に悪影響があるので推奨はしませんが、ある程度音量を上げて聴くほうが明るくエネルギッシュな音を鳴らしてくれます。

※あくまで印象です

 

各音域について

◎低音域

これだよこれ!響く!揺れる!

低音が強調され、力強く豊かで、内臓に響くような存在感があります。

力強さと深みを兼ね備えており、膨らみ過ぎずしっかりとした表現が特徴です。腹の底に響くようなサブベースと、アタック感のあるミッドベース、両方がバランス良く、低音域全体が豊かでクリアに響きます。

かといって、低音域のブーストによって常に楽曲全体のバランスを崩すほど鳴り響くわけではなく、曲に合わせた柔軟な表現が可能な印象です。

一方で特に低音が強調される曲では、低音が支配的になることもあります。

 

 

◎中音域

以外にも?滑らかで、自然な音色を保っています。

過度な強調がなく、楽曲のニュアンスを崩すことなくディティールを再現してくれている印象です。

全体のミックスの中では少し後ろに隠れている感じがするかもしれませんが、案外バランスが取れています。

案外、というところがミソで、楽曲によってはやはり低音域に押され存在感の薄れが気になることは多々あります。特にボーカルを大事にする人には物足りないかもしれません。

 

 

◎高音域

高音域は低音域に負けないようかなり強調されていますが、思ったよりも鋭さがなく、滑らかなトーンです。金属的なキンキンとした感じはなくエネルギッシュで鮮やか、明瞭さと存在感が高い印象です。

少々強すぎるかなと思う場面もありますが、ここも案外バランスが取れていて、全体的には低音域に飲み込まれない程度の伸びやかさと空気感があります。

 

 

おすすめリケーブル(暫定)

「Zisin Welfare 2024」

個人的にお気に入りの低音をさらに強化するおバカコンボです。

ぶっといケーブルで見た目通りのぶっとい音を出してくれます。

 

もしかしするとこのケーブル自体はもう終売しているかもしれませんが、Zisinや兄弟メーカーのIvipQから色違いで似たようなケーブルが出ているので、試してみると楽しいかもしれません。デカさは正義

 

 

音の感想(まとめ)

多ドラのパワーで足りないところはブーストすればいいんでしょ?という脳筋さも感じつつ、全体的なバランスはかなり意識して作られている気がします。

「轟音する低音」は伊達じゃないけど、思ったよりイカれてはいなかったです。

 

不快感のない程度にドンシャリの極致を目指したような面白いサウンドでした。

EDMやハードロックなど、低音が重要なジャンルでは特に気持ちよくなれると思います。

 

絶対的な低音域は鎮座しつつも、低音域イヤピやリケーブルで音のバランスが結構変わるので、そこを探求するのも楽しそうです。

 

 

おわりに(オススメ度)

★個人的なオススメ度(※) : 8.55555/10

◎各音域に対する満足度

・低音域 : 55555/10

・中音域 : 7/10

・高音域 : 7.5/10

◎空間表現に対する満足度 : 7/10

◎装着感に対する満足度 : 8/10

◎デザインや造りに対する満足度 : 7/10

◎付属品や外装に対する満足度 : 9/10

※各項目の平均点ではありません。また、商品に優劣をつけるための点数付けではなく、価格($100)に対する自分の満足度です。

 

低音好きでエネルギッシュな音楽を楽しみたい人に適したイヤホンです。

 

ナチュラル・フラットな音を求める人には最もお勧めできません。

ただ、味付け上等!とにかく楽しいリスニング体験をしたい!という方にはお勧めします。

個人的にはヘドバンしたいときに最適なイヤホンだと思います。

 

リスニング向けの、とにかく楽しい🦍(ゴリラ)でした。

 

 

さて、今回は以上です。

最近は仕事やプライベートが忙しくあまり感想文を書く時間が取れていませんが、なんとかコツコツやっていければなと思っています。書きかけの感想文が何本かあるのでちゃんと形にしなくちゃなあ。

 

まあ、適当適度にぼちぼちやっていきます。

ではまた。

【Kiwi Ears - KE4】迫力ある低音域とバランスの取れたチューニングで聴き心地の良い2DD+2BAイヤホン

 

 

要点

≪GOOD≫

・不快感のないバランスの取れたチューニング

・暖かみがあり自然で聴き心地の良い音色でずっと聴いていられる

・適度に制御された臨場感ある低音域

・やや控えめながらも抜け感のある高音域

・音場は近いが定位感と分離感は優れており適度な広さを感じる

・本体は軽く、優れた装着感で長時間の着用でも気にならない

・装着感の優れた使い勝手の良いイヤーピースが付属している

 

≪NOT GOOD≫

・突出しすぎないよう調整されているため、物足りなさを感じるかも

・暖かみの部分のややぼやけた印象、特に中音域は好き嫌いが分かれそう

・解像度は価格なりに良いが、細部まで完全な表現とまではいかない

・付属のケーブルは細く絡まりやすいのと、4.4mmの選択肢が欲しかった

 

 

まえがき

こんばんは、感想文番外編(案件編#2)です。

今回は前回レビューしたKiwi Ears Allegro Miniと同時期に発売された2DD+2BA構成のイヤホン、Kiwi Ears KE4のレビューです。

 

正直最初は低音が特徴的だけどパッとしないかもと思ったのですが、聴いていくうちにそのあまりの聴き心地の良さにお気に入りになり、気が付いたらずっと聴いてしまうようなスルメイヤホンでした。

 

バーンインなしで箱出しから一週間程度使ってみた感想を以下で詳しく見ていければと思います。

 

なお、今回の製品はレビューのため Linsoul_JP 様よりご提供いただきました。

この依頼に際し、製品提供以外の金品授受その他便宜の提供はございません。また、内容に関して指示等は一切なく、完全に私の知識と経験に基づき感じたままをレビューしています。

 

 

内容物とか

パッケージはごくシンプルで、本体の保護シールなどもありません。

内容物も必要十分といったところです。KiwiEarsが比較的安価で高クオリティの製品を送り出している秘訣はこういう部分にもあるかもしれません。

 

シンプルイズベスト。替えのノズルフィルターが地味に嬉しい

本体以外の内容物は、①ケース、②ケーブル、③イヤーピース(1種類・3サイズ)、④替えのノズルフィルター、⑤説明書と、シンプルな構成です。

 

特筆すべきは③イヤーピースでしょうか。

付属のイヤーピースはKiwi Ears Flexとして販売されており、医療グレードのシリコン製でサラサラとした感触です。SpinFitのように傘の上部、ノズル部分が柔軟に曲がって装着感を高めてくれるとともに、耳垢防止のフィルターが付いている点も独特です。

$15で別売りされているイヤピが付いてくるのは嬉しい

②ケーブルは細身で柔らかく、取り回しは悪くないですがやや絡まりやすいです。顎スライダーは緩めであまり機能しません。
カラーリングや見た目は悪くないのですが、4.4mmオプションが無く、音質的にも必要十分ながらもごく普通の標準ケーブルという感じなので、リケーブルするのもアリだと思います。

 

 

イヤホン本体

筐体は樹脂製で、デザインはシンプル。後方にはベントがあります。

フェイスプレートにはシルバーのアルミ?っぽいロゴの刻まれたプレートが埋め込まれています。外側は樹脂で覆われているので傷はつきにくそうです。

 

ノズルの口径は標準的で、返しも付いているため、大抵のイヤーピースを装着することができると思います。

コネクタ部分は0.78mmのフラット2pinでリケーブル可能。

 

ドライバーは2DD+2BAの構成です。

各ドライバーの特徴は以下の通り。

2つのKiwi Earsカスタム10mmダイナミックドライバーは、サブベースのインパクトとスラムに焦点を当て、キックドラムやベースギターの存在感を際立たせます。

カスタマイズされた換気システムを備えたRAD 33518 BAドライバーは、低音と中音域のシームレスな統合を保証し、豊かで質感のあるボーカルや楽器を提供します。アメリカ製のKnowles RAD 33518ツイーターは、優れた高周波拡張性を持つ、清らかで自然な音のトレブルを提供し、空気感のあるサウンドを実現します。

Amazon 販売ページ より引用

 

 

音の感想

視聴環境

スマホDAC  Pixel7a + AllegroMini

DAP  HiBy Music  R6 Pro II

・ケーブル  標準(3.5mm)

・イヤピ  標準(KiwiEars Flex

・リファレンス曲

  〇藤井風『死ぬのがいいわ』

  〇Maroon 5Sunday Morning

  〇King Gnu『どろん』

  〇凛として時雨『Telecastic fake show』

  〇Owl City『Good Time』

  〇milet『inside you』

  〇宇多田ヒカル『First Love』

  〇トゲナシトゲアリ『闇に溶けてく』

  〇LE SSERAFIM『FEARLESS』

 

今回は①と②の2種類の環境で視聴しました。

結果としてはKE4は比較的出力の低いAllegroMiniでも十分鳴らせましたが、個人的にはより解像度や臨場感を高めるためにもある程度パワーのあるアンプを使用することをお勧めします。

 

また、リケーブルしバランス化すると音の迫力と解像度がアップし、好みの音色にも変えやすいので、リケーブルに拒否感のない方にはお勧めします。

 

イヤーピースはフィルターが付いている点、低音を強調する傾向がある点が嫌でなければ、装着感が良い標準のものでも悪くないと思います。

より高音を強化したいなどがあれば、お好みの物に付け替えるのも良いでしょう。



 

全体的な印象

まずは第一印象の話ですが、KE4の低音が前面に来て、暖かみのある中音域と、やや控えめな高音域は、手持ちのイヤホンの中でAFUL Explorerに近いなと感じました。

ただ、よくよく聴いていると、全体的なバランスには近しいものを感じつつも、KE4にはExplorerにあった、音が籠ってやや暗い音に聴こえるような印象は薄く、高音域の抜け感もより優れていると感じました。

 

KE4は音場の近さは感じるものの、定位感と分離感は優れていて、高音域の空気感も相まって窮屈な感じのない適度な広さの空間を表現できている印象です。

 

これはあくまで好みの話ですが、Explorerの全体的な聴き心地の良いバランスは好みだったものの、狭く窮屈な感覚が惜しいなと感じていた自分にとっては、KE4はかなり好ましいチューニングでした。

 

公式でも以下の通り述べていますが、

KE4は、新しいターゲットチューニングに従い、正確なサブベースのインパクト、温かみのある自然な中音域、そして正確なトレブルを強調しています。この音質特性は、何年もかけて洗練されてきたもので、最も自然で魅力的なものだと私たちは信じています。

と、まさに目指すところを実現している感じがします。

Amazon 販売ページ より引用

 

また、やや特徴的な低音域以外は突出して耳につくような部分がないため、やや大きめのボリュームで聴いても不快感がありません。

あまりにボリュームを上げすぎると聴力に悪影響があるので推奨はしませんが、いつもより少しだけ音量を上げてみると、ダイナミックで音に包まれるような感覚を味わうことができます



 

各音域について

◎低音域

何といっても特徴的なのは2機のダイナミックドライバーが表現する重厚な低音域です。

KE4の低音はやや前面で、しっかりとした存在感があり、特にミッドベースのアタック感が効いています。

サブベースも深く響き、インパクトがありますが、過剰に膨張はしていない印象です。タイトで完全に制御されているとは言い難いですが、リズミカルに楽曲の基盤をしっかりと支える役割を果たしています。

 

個人的には特徴的ながら出しゃばりすぎない、絶妙な、かなり良いバランスだと感じています。

裏を返すと低音を好まない人からするとやや前に出過ぎている感じがするでしょうし、ゴリゴリの低音を期待すると逆に物足りなさを感じるかもしれません。

 

 

◎中音域

全体的に自然な暖かみのある聴き心地の良いサウンドです

クリアで分析的な音色ではないので、そういった傾向を求める人には向かないかもしれません。

 

ボーカルは自然で滑らかな聴きやすい音色で、男性ボーカルは重厚に、女性ボーカルは伸びやかな印象です。

ただ、曲によって近さを感じたり、やや奥まって聴こえたり少し不思議な感じもあります。

バラードなどテンポの遅い曲ではあまり奥まった感じはしなかったので、楽器の音数が多いと埋もれやすいのかもしれません。音場は近いけどボーカルをブーストしているわけでもない、というところが影響している気もします。

 

ピアノ、ギター、シンセなどの楽器も、曲によっては、ややベースに押されて後ろに下がる感じがありますが、分離感も優れているため、それぞれ自然で豊かな音色で鳴っていることを聴き取ることができると思います。

 

 

◎高音域

高音域は、煌びやかでクリアながらも、過度にシャープではなく、棘のないチューニングです。正直かなり好みのバランスです

低音域や中音域に比べると一見控えめに聞こえますが、全体のバランスの中では確かな存在感で自然な空気感と適度な抜け感を表現してくれています。

 

また、音量を上げても不快感を感じにくい絶妙な調整で、歯茎音やシンバルの音で刺さりを感じることはありませんでした。

 

ただし、響きを細部まで完全に表現しきれているかといえば首をかしげるところで、アタック感の面でも中華イヤホンに多いドンシャリチューニングの鋭い高音域を期待している人には物足りないかもしれません。

 

 

おすすめリケーブル(暫定)

NICEHCK  HugLaura(4.4mm)

バランス化。音場の広がりや低音の質がより良くなり、また、全体的に解像度が上がってボーカルの奥まった感じも改善する。

 

Angelears x Yongse  Mars(4.4mm)

バランス化。音の明瞭さと空間の広がりが増す。よりタイトな低音とクリアな高音。

 

SoundsGood  Cassiterite(4.4mm)

バランス化。全体的にクリアで見通しの良い印象。標準に近い色合いで見た目が良い。



 

ゲームでの使用について(余談)

個人的にゲームでの使用も悪くないと思います。

FPS(Apex)で使用した感想としては、定位感と分離感が良いため、足音を正確に聞き分けることができました。また、高音域が抑え気味なのでキンキンと刺さることもありませんでした。

 

ただ、低音が強いため対人ゲームだとやや他の音の邪魔になるかもしれません。

それ以外のゲームなら臨場感が出てむしろ向いていると感じました。

 

また本体が軽く長時間着けても負担が少ないこと、装着感が良く遮音性にも優れている点はプラスだと思います。

普段ゲーム用のイヤホンに拘りがなく、検証もあまりしていないのであくまで参考まで。



 

音の感想(まとめ)

適度に制御された迫力ある低音域、暖かみのある自然な中音域、やや控えめながらも抜け感のある高音域のバランスが取れたチューニングで、聴き心地が良くずっと聴いていられます。

テンポの速い曲も十分こなせる印象はありますが、どちらかといえば、ゆったりとした曲の方が合う気がします。

 

音場はやや近いですが、定位感と分離感は優れており、高音域の空気感も相まって適度な広さを感じることができます。

 

一方で、突出した部分が少ないが故に物足りなさを感じることがあるかもしれません。

また、大前提として低音の主張が好みでない人には合わないこと、中低音域が暖色傾向である点や、曲によってボーカルがやや奥まって聴こえることがある点は好みが分かれそうです。

 

 

おわりに(オススメ度)

★個人的なオススメ度(※) : 8.5/10(リケーブル込みだと9点)

◎各音域に対する満足度

・低音域 : 9/10

・中音域 : 8/10

・高音域 : 8.5/10

◎空間表現に対する満足度 : 8.5/10

◎装着感に対する満足度 : 9/10

◎デザインや造りに対する満足度 : 8/10

◎付属品や外装に対する満足度 : 7/10

※各項目の平均点ではありません。また、商品に優劣をつけるための点数付けではなく、価格に対する自分の満足度です。

※9/15時点、$199の場合の満足度です

 

最初は突出した部分が無いために200ドルは高いかも?と思いましたが、聴き込んでいくにつれて、このバランスの良さを高水準で達成しているKE4はかなり優秀なのではと思い直しました。

(構成も価格帯もやや異なるので賛否あるかもしれませんが、個人的に最終的な印象はExplorerの進化系でした。)

 

実際、暖かみのある自然な音で聴き心地の良さで、とりあえず迷ったら使いたくなり、気が付くとずっと付けたまま音楽を聴いているというスルメイヤホンでした。

 

あまり刺激的ではない聴き心地の良いイヤホンを求めている方にお勧めです。

 

 

さて、今回のレビューは以上になります。

普段もっと高音域が鋭く、ハキハキとした印象のドンシャリ傾向のイヤホンを聞くことが多いので、こういった傾向で好みのイヤホンもあるんだなと知ることができたのは嬉しい発見でした。

 

今回ご提供くださったLinsoul様はもちろん、こんな素人の感想文を見てくださっている皆様のおかげでこういった機会を頂けたことに感謝しています。

 

今後も自由に楽しく思ったまま、感想文を綴っていきたいと思います。

ではまた。

 

 

販売価格/リンク

◎各ECサイトの販売価格

(※2024/9/15時点の価格であり、変わる可能性があります)

現在、LinsoulのECサイトでは KiwiEars KE4 と AllegroMini がセットで$223 USD のところ、 $209 USD で購入できます。

 Amazon 販売ページ:KE4単品  29,200円

 Linsoul 販売ページ  :KE4単品  $199 USD ≒ 28,026円

             AllegroMiniセット  $209 USD ≒ 29,434円

 

◎Linsoul_JPのポータルサイトhttps://linktr.ee/linsouljp

 

 

【Kiwi Ears - Allegro Mini】高コスパとしか言いようがない、便利すぎるミニDAC!

 



要点

≪GOOD≫

・シンプルかつコンパクト

スマホと一体化するため、OTGケーブルによって嵩張らない

・音質は価格に対して必要十分なクリアサウンド

・このサイズで3.5mm/4.4mm二つのジャックがあり便利

・非再生時のホワイトノイズや、曲送りの時のノイズがない

・消費電力が非常に少ない

・発熱がほとんどない

 

≪NOT GOOD≫

・独立ボリュームやゲイン設定を持たない

・4.4mmジャックもシングルエンド出力でバランス接続非対応

・繋ぐ機器によってはパワー不足が懸念される

・豊かな音色やウォームなサウンドを求める人には向かない

 

 

まえがき(所感)

こんばんは、感想文番外編(案件編#1)です。

今回は初めてのDACレビュー&提供レビューになります。

 

Kiwi EarsのDACといえばゲーム機風のデザインが特徴的なAllegroがありますが、Allegro Miniはその名の通りそのコンパクトverで、廉価版としてとにかく小さく、使いやすく内容及びデザインが一新されています。

 

使ってみた感想としては有線イヤホンをそこそこ良い音で手軽にスマホで運用したいという方には、コスパも良くかなり強力な選択肢ではないかと思いました。

 

当然コスパが良いとはいえメリット・デメリットがありますので、以下で詳しく見ていければと思います。

 

なお、今回の製品はレビューのため Linsoul_JP 様よりご提供いただきました。

この依頼に際し、製品提供以外の金品授受その他便宜の提供はございません。また、内容に関して指示等は一切なく、完全に私の知識と経験に基づき感じたままをレビューしています。

 

 

仕様・内容物とか

 

パッケージはシンプルの極みで、スポンジに守られた本体のみ。

仕様を記載した説明書等もありません。これがミニマリズムか。

 

 

Kiwi Ears Allegro Mini製品仕様 

モデル Allegro Mini
PCM仕様 44.1-384kHz/32bit
DSD仕様 DSD64-DSD128
アウトプットパワー  L+R ≥ 30mW + 30mW (32Ω, THD+N < 1%)  
SNR ≥ 114dB (32Ω load, A-weighted)
THD+N 0.004% (32Ω load, A-weighted)
ノイズ < 3μV (A-weighted)
周波数帯域 ±0.2dB (20-20KHz)
ノイズ 3μV
アウトプット USB C to 3.5/4.4mm
チップ Built-in DAC/Amp chip (KT02H20)

Amazon販売ページ及びLinsoul販売ページより

 

基本的な仕様は以上の通りです。

 

Allegroがケーブルで接続するタイプのドングルDACであったのに対し、miniの方は本体に備え付けられたType-Cのプラグで直接接続するタイプになります。

良いか悪いかは別にして、OTGケーブルを使わないためごちゃつきがなく、外での使用やちょっと動画や配信を見るときに便利です。

(よく寝る前に睡眠導入としてASMRを聴くときに使っています。)

 

また、特筆すべきはこの価格で3.5mm/4.4mm二つのジャックを有している点です。

リケーブルをよくする方には大変便利な仕様で、後述するとおりバランス接続の恩恵は受けられませんが、対応するプラグにケーブルを変える手間が発生しないのは有難いです。

 

とにかくシンプルでコンパクト
左右にそれぞれ3.5㎜と4.4㎜のジャックがある

 

消費電力については非常に省電力で、手持ちのスマホで2-3時間ほど連続使用してバッテリーの消耗は10%程度でした。(バッテリー容量や摩耗具合は機器によって異なりますので参考まで)

裏を返せばそこまでパワーのあるDACではないということですが、使用するシーンを考えると必要十分で優秀な性能といえます。

また、長時間の使用でもほとんど発熱がありませんでした。

 

注意点としては、4.4mmプラグでの接続でもシングルエンド出力であるためバランス接続の恩恵は受けられません。

 

また、DAC側にはAllegroにあった独立ボリュームボタンが無く、当然ゲイン設定も無いため、スマホ等の機器側で音量調節を行う必要があります

機器と一体化する設計のため不要とされてしまうのは仕方ないですが、細かい音量調整が難しいため、この価格で求めることではないですが専用のアプリなんかがあると嬉しいなあと思ってしまいます。

ゆとりがあるのでケースの上からでも装着できました。
装着時にスマホが浮かないよう、下部はプラグと並行、
上部はやや飛び出す形になっています。

 

 

音質について

視聴環境

スマホ   Pixel7a (Android バージョン14)

・イヤホン  KiwiEars KE4(3.5mm 標準ケーブル)

 

 

 

音の感想

一言で言い表すならニュートラルで無難です。

チップの特色だと思いますが、クリアでこれといった脚色はなく、イヤホンの特徴を活かすような音色だと感じます。

 

低音から高音までしっかりと鳴り、滲みや歪みは感じませんでした。解像度や分離感はこの値段にしては十分で、中音域はやや強調されますが、ボーカルだけが浮き出てて孤立するようなことはありません。

 

ただ、全体的に音に厚みを感じずパワー不足かなと思う瞬間は多少ありました。

それでも手持ちのスマホのイヤホンジャックへの直刺しや、100均で購入した安価な変換プラグに比べると、解像度や音場も段違いですし、そういった環境の方には良いアップグレードだと思います。

 

また、非再生時のホワイトノイズや、曲送りの時のノイズがないので、音以外の部分のせいで気が散るようなことがないのは好印象です。

 

 

Allegro vs Allegro Mini(一応)

同じ3.5mmシングルエンドでの比較です。

音質の面では、どちらもクリアでニュートラルな音色ですが、解像度や音の厚みでAllegroの方が優れており、チップの性能差がそのまま音の調子に表れていると感じます。

 

取り回しの面ではやはりスマホと一体として使える点ではminiの方が便利な感じがしますが、ボリューム操作ができるといった面ではAllegroの方が有利です。

 

ただ当然価格差もありますし、ケーブルの有無、バランス接続、DACポケットを使えば等々、使用条件や環境が異なれば評価も変わります。

単純に比較してどうというよりは、シーンに合うものをチョイスできる選択肢があるのが嬉しいですね

 

(左)Allegro Mini  (右)Allegro  

 

おわりに(オススメ度)

★個人的なオススメ度(※) : 8.5/10

◎音質に対する満足度 : 8.5/10

◎操作感に対する満足度 : -/-

◎デザインや造りに対する満足度 : 9/10

◎付属品や外装に対する満足度 : 7/10

Amazonでの販売価格4Kの場合の満足度です

 

正直4kほどの価格で3.5mm/4.4mm両対応で十分な音質、しかもコンパクトで省電力というのはコスパが良いとしか言いようがありません。

あと、個人的にはノイズが全く気にならなかったのが嬉しいです。

 

今はイヤホンジャックが付いているスマホも減ってきていますし、有線イヤホンをそこそこ良い音で手軽にスマホで運用したいという方にはかなり良い選択肢ではないでしょうか。

デザインがシンプルですし、ノートパソコンで使うのもいいかもしれません。

 

自分はDAPやAllegro含む他のドングルDACも所持していますが、このAllegro Miniはそれらの隙間隙間を埋めるように活躍してくれています。

恐らく今回の依頼が無くても自分で買ってたと思いますし、同じ評価をしていたと思います。忖度なくオススメできる便利な製品でした。

 

さて、今回のレビューは以上です。

初の提供でのレビューということで少々緊張もありましたが何とか書き上げることができました。

この後は同じKiwi EarsのKE4をレビュー予定です。(Linsoul_JP様提供)

こちらもなかなか面白い製品でしたのでお楽しみに。

 

ではまた。

 

 

販売価格/リンク

◎各ECサイトの販売価格

(※2024/9/12時点の価格であり、変わる可能性があります)

 Amazon 販売ページ:4,280円

 Linsoul 販売ページ  :$24.00 USD ≒ 3,466円

 

◎Linsoul_JPのポータルサイトhttps://linktr.ee/linsouljp

 

【SUPERTFZ - FORCE 1C & KING KONG】SUPERTFZの最新2機種を比較して楽しむ!🦍

 

 

まえがき(所感)

こんにちは。

そろそろ初心者を脱したい感想文#8です。

 

今回は趣向を変えてSUPERTFZの最新2機種、FORCE 1CKING KONGを比較しつつ聴いていこうと思います。

FORCE 1Cはポップス向けのチューニング、KING KONGは迫力の重低音がウリのイヤホンです。

 

実際に聞いてみた所感としては、どちらもドンシャリ傾向のイヤホンで、

FORCE 1Cニュートラル寄りでバランスが良い。高音域は刺さらない程度にしっかり存在し、低音域も十分な量感と深みがある。まとまりの良い滑らかな中音域でボーカルが聴きやすい。

KING KONG:寒色寄りで分離感が良い。タイトでパワフルな低音域が特徴的だが、思ったほどゴリゴリではなく、高音域はやや鋭い。総じて上手くバランスがとられている。

といった感じで、多少価格帯やドライバ構成の異なる2機種ではあるものの、それぞれに特色があり、好みに応じて選ぶことが出来そうです。

 

以下で詳しく見ていこうと思います。

 

 

内容物とか

販売価格が9Kと4Kなので内容物はそこそこ差があります

価格帯の差もあってかFORCE 1Cの方が豪華ですね。謎の美女のカードもついてますし(?)

正直どちらも値段なりという感じです。

 

イヤーピースはKING KONGの方の選択肢が少ないので、合わない場合は別で購入する必要があるかもしれません。特に低音はイヤーピースの影響を受けやすいので、低音が特色のKING KONGにとっては致命的です。

 

標準ケーブルはFORCE 1Cが3.5mmプラグ、KING KONGが3.5mm/Type-Cの選択式で自分は何かと便利なType-Cを選びました。

 

標準ケーブルを装備するとこんな感じ

余談ですが、KING KONGのType-Cの標準ケーブルが思ったより悪くなく、軽く外出するくらいなら全然使えそうです。

というのも、この手のType-Cケーブルではホワイトノイズや曲間のぷつぷつはあって当然と思っていたのですが、自分の環境ではそういったものが無く、音質以外の問題で気が散るようなことがありませんでした。

ただ、音質の面で解像度不足・パワー不足は感じるので当然リケーブルした方が音は良いです。特に高音域が弱く、特徴の低音域もパンチ力が弱めです。(あと顎のスライダーが付いてないです。)

 

いずれにしても標準ケーブルのクオリティは正直……という感じなので、じっくりリスニングする際はリケーブルに抵抗がないならリケーブルすることを推奨します。

 

 

イヤホン本体

FORCE 1C

FORCE 1Cは1DD構成で、φ10mmチタンコートPET振動板と合金製サスペンション技術を採用しています。
ハウジングは樹脂製。フェイスプレートは多層セルロイド仕上げだそうで、デザインはランダム性があるため唯一無二、しかもカラーバリエーションがなんと7種類もあります。(うちパープルは2024/9時点で未発売)

 

KING KONG

KING KONGは2DDの構成で、複合ポリマーダイアフラムと合金サスペンション技術を採用したφ6mmとφ10mmの二基のダイナミック型ドライバーユニットが搭載されています。

ハウジングは亜鉛合金+ポリカーボネート樹脂で、裏側は綺麗なクリアボディのため、内部構造がしっかり見えます。カラーバリエーションは3種類です。

 

 

音の感想

視聴環境

DAP : HiBy  R6 Pro II(バランス接続)

・ケーブル : SoundsGood kirin 4.4mm(両方とも同じ)

・イヤピ : SednaEarfit ORIGIN Standard(両方とも同じ)

・リファレンス曲

  〇藤井風『死ぬのがいいわ』

  〇米津玄師『馬と鹿』

  〇Maroon 5Sunday Morning

  〇Bruno Mars『Runaway Baby』

  〇King Gnu『どろん』

  〇凛として時雨『Telecastic fake show』

  〇Owl City『Good Time』

  〇milet『inside you』

  〇宇多田ヒカル『First Love』

  〇結束バンド『忘れてやらない』

  〇トゲナシトゲアリ『運命の華』

  〇LE SSERAFIM『FEARLESS』

 

ケーブルについて、各々の標準ケーブルが3.5mmとType-Cで異なる接続方法のため聴き比べには向かないかなと思い、今回はkirinを同じ条件のリケーブルとして使用しています。

 

 

全体的な第一印象

FORCE 1C:ボーカルに焦点が当たりやすい。バランスが良く、高音域は刺さらないぐらいで存在感があり、低音域も十分な量感と深みがある。

KING KONG:タイトでパワフルな低音域だが、思ったほどゴリゴリではない。高音域はやや鋭い。中音域が凹んでいるが案外バランス型で低音域が暴れている印象はない。

 

ということで、ファーストインプレッションとしては「KING KONGが案外大人しい」でした。

正直名前のイメージからもっと暴れ散らかしている低音を予想していたのですが、想像以上に良く鍛えられて引き締まった筋肉質な低音を鳴らします。

 

対してFORCE 1Cはポップス向けチューニングのイメージ通り、中音域にフォーカスしやすいバランスの良いサウンドといった感じで、非常に聴きやすい印象でした。

 

 

各音域について

◎低音域

FORCE 1C:ゴリラと比較すると当然物足りませんが、十分な深みとアタック感があります。ポップスはもちろん、ロックやEDMを聴くのにも十分な量感はあると思います。

滲む感じもなく、しっかりと曲を下支えしつつ心地よく響いてくれる印象です。

 

KING KONG:第一印象では思ったより大人しく感じましたが、それでもKING KONGの名に恥じない十分な量感があり、全体を通してみた印象では矢張り低音域が強く感じます。

特に、ロックやEDMを聴く際には重く、アタック感抜群で、跳ねるような楽しい低音で脳汁です。

ただ、名前からイメージされるようなブーストされた質量のある深い音という感じではなく、あくまで筋肉質で弾力感のある引き締まった低音でボディーブローしてくるという感じでした。

 

 

◎中音域

FORCE 1C:ボリューム的には突出しているわけではありませんが、ボーカルを中心にまとまりの良い鳴り方をしている印象です。

モニターライクだったり、寒色で分離感を重視した鳴り方だったりを好む方には向かないかもしれませんが、各音の解像度は十分にあると思います。

楽曲の空気感を大事にしている印象で、ポップス向きというのも頷けるチューニングだと思います。特段歯茎音の刺さりなども気にならず、滑らかで聴きやすい中音域です。

 

KING KONG:ボリューム的には凹みがちですが、寒色寄りの見通しの良いサウンドで、分離感は悪くありません。解像度も際立って良いとまでは言えないですが、この価格帯にしてはかなり良い方ではないでしょうか。

ただ、中高音域にやや刺さる音域があり、曲によっては気になることがありました。伸びやかさに繋がったりするので特色といえば特色ですが、女性ボーカルの曲では注意が必要かもしれません。

一方、男性ボーカルは特徴的な低音域に押されがちかと思いきや、2DDの恩恵なのか、混ざることもなく一歩前で鳴っている印象で、刺さりがない分聴きやすいです。

 

 

◎高音域

FORCE 1C:刺さりのない程度に必要十分な量感で鳴っている印象で、気持ちの良い抜け感や煌めきを感じるほどではなく、良くも悪くも無味乾燥という印象です。

ボーカルへのフォーカスという意味では、あまりに高音域の存在感があると支障となり得るので良いバランスなのではないかと思います。

 

KING KONG:こちらも、必要十分な量感で鳴っている印象で、特別際立っているわけではないですが、FORCE 1Cより伸びときらめきを感じます。ただその分やや刺さる音域があります。

中高音域と高音域にちょっとした刺激的なピークがあることでKING KONGが低音一辺倒ではない印象が生まれている気がします。

 

 

音の感想(まとめ)

FORCE 1C:解像度は価格帯なりに優れており、ニュートラル寄りでバランスが良い。

高音域は刺さらない程度に存在し、低音域は十分な量感と深みがある。

分離感はそれほどないが、まとまりの良い滑らかな中音域でボーカルが聴きやすい。

 

KING KONG:寒色寄りで分離感が良く空間を感じる。

タイトでパワフルな低音域が特徴的だが、思ったほどゴリゴリではない。高音域はやや鋭く、中高音域~高音域で刺さる音域がある。

中音域がやや凹んでいるが分離感のおかげで埋もれてしまうほどではなく、総じて上手くバランスがとられている。

 

どちらもそれぞれ特色がありましたが、総じて上手くまとまっており、聴いていて楽しいリスニング向けのドンシャリサウンドという点で共通しています。

その上で、パワフルな低音域を楽しみたいならKING KING、心地よいボーカルを楽しみたいならFORCE 1Cと上手く差別化できている気がします。

 

SUPERTFZのイヤホンはこの2機種が初めてでしたが、メーカーの音作りの傾向が何となく窺えました。

 

意外だったのはKING KONGで、筋肉質な低音と、高音域までしっかり鳴っているのもあって案外スマートだなという感想でした。単純な印象で言ったらCVJ NightElfの方がよっぽどゴリ……(ここで手記は途切れている)

 

☆オススメのリケーブル(見た目編)
←FORCE 1Cは赤黒のXINHS-056でカッコよく 
 KING KONGはNICEHCK SnowWingsで清楚?に→

 

おわりに(オススメ度)

★個人的なオススメ度(FORCE 1C) ※: 8/10

各音域の満足度

・高音域 : 7/10

・中音域 : 8.5/10

・低音域 : 8/10

装着感に対する満足度 : 9/10

デザインや造りに対する満足度 : 9/10

付属品や外装に対する満足度 : 7/10

 

★個人的なオススメ度(KING KONG) ※: 7.5/10

各音域の満足度

・高音域 : 7.5/10

・中音域 : 7/10

・低音域 : 8.5/10

装着感に対する満足度 : 7/10

デザインや造りに対する満足度 : 8/10

付属品や外装に対する満足度 : 7/10

 

※自分の購入したFORCE 1C:8K, KING KONG:4Kの場合の満足度です。

※一応保険を掛けておきますが、これは商品に対する点数付けではなく(結果としてそう見えるかもしれませんが)、価格・予算に対する満足度になります。このイヤホンの価格帯で悩んでいる人がいたらどれくらいオススメできるかなという自分の中での指標です。

 

音のまとめにも書きましたが、両方とも全体的に上手いことバランスが取れていて、聴いていて楽しいリスニング向けのドンシャリイヤホンでした。

 

全体的には似た傾向を持ちながらも、それぞれ異なった強みを持っているので、好みに合わせて人にお勧めしやすいのも良いですね。カラーバリエーションも豊富で、特にKING KONGはお値段も安いですし。

どちらも筐体は軽めで、外出先で気軽に音楽を聴くのに向いているといった意味でも、エントリーとして適している気がします。

 

是非みなさんも🦍を愛でましょう。

 

さて、今回は以上になります。

比較(できているかはともかく)形式で感想文を書くのは初めてだったので、拙いところがあったらすみません。引き続きご意見はどしどし応募中です。

 

近いうちに別の🦍がウチにやってくるのでとても楽しみです。

そちらもいつか感想文をしたためることができればと思います。

 

ではまた。

 

【JIALAI - Carat】ドンシャリ好きにおすすめ!小柄ながら楽しいサウンドの1DD金属筐体イヤホン!

 



まえがき(所感)

こんにちは。初心者の感想文#7です。

今回はいつもの如く見た目が好みに刺さったイヤホンで(しかも金属筐体1DD!)、NICEHCK公式サイトでケーブル付きで$60のセールを行っていたため購入しました。

あと生産終了という情報を見て慌てたというのもあります。実際は生産終了になったのは初代の鏡面仕上げのシルバーだけのようです。

 

その後Aliのセールでめちゃくちゃ安くなっているのを見て少し悲しくなりましたが、すぐにそのほかの安くなっている製品でテンション爆上げだったので僕は元気です。

 

実際に聴いた所感としては、全体的にスッキリとしつつ楽しい音色で、やや粗削りながら明るく元気な高音域と、弾力感のある低音域が支える中、主に女性ボーカルを気持ちよく聴けるドンシャリ好きにオススメなイヤホンです。

 

ということで、今回は一週間ほど聴き込んだ感想を綴っていこうと思います。

 

内容物とか

 

まずは銀ギラに輝くパッケージ。これは初代CARATのシルバーに合わせたカラーリングかと思いますが、名前のイメージに沿った煌びやかなデザインです。

 

このイヤホンの特徴が書いてありますね

この価格帯ならあると嬉しいイヤホンケース。レザー風のケースです。付属のケーブルとイヤホンなら難なく入りますが、太めのリケーブルなどは厳しそうです。

 

品質はさておき値段に対して十分といえるラインナップ

付属ケーブルは細いですがやや硬めで、取り回しがいいとは言いにくいです。スライダーはちゃんと機能します。正味5Kぐらいまでのイヤホンに良く付いているケーブルくらいの品質だと思います。(NICEHCKの姉妹ブランドなんだからもう少しいいケーブルをつけてくれても良かったのに、と思わなくもないです)

 

イヤーピースは3種類3サイズの計9ペア。付属のイヤーピースの選択肢が多いのはとてもありがたいです。合うサイズを見つけやすいと思います。

 

 

イヤホン本体

シンプルで洗練されたデザインだが個人的にロゴが目立つのはマイナス

イヤホン本体はかなり小ぶりですが、シンプルなマットグレーの金属筐体が洗練された印象を与えてくれる満足な仕上がりです。

初代のシルバーの鏡面仕上げもカッコいいですが、指紋や傷が目立たないという点でマット仕上げはかなり有利です。

ただ、下部のロゴはもうちょっと目立たなく出来たらよかったかなと個人的には思いました。

 

かなり小ぶりな筐体のためノズルが大きく見える

ノズル部分の口径は標準的でたいていのイヤーピースが使えると思います。

装着感も悪くなく、イヤーピースが合っていれば不意に外れるようなこともないでしょう。金属筐体ですが、その小ささのおかげかそれほど重さは感じないので長時間のリスニングでも気にならないと思います。

 

音の感想

視聴環境

DAP  HiBy  R6 Pro II

・ケーブル  標準ケーブル

・イヤピ  標準(青)

Caratイヤホンは旗艦級レベルの10mm DLCチタンコート振動板ダイナミック型ドライバーを採用し、高磁束マグネット、磁気回路構造を組み合わせて、全域がバランス良く整えてあらゆるスタイルの楽曲対応できます;IE 2019のカーブに基づいてチューニングされ科学性と聴きやすさを見事に両立させています (※公式Amazonページより引用)

 

 

全体的な第一印象

第一印象は「あ、ドンシャリだ!」です。

明るく元気な高音域アタック感と輪郭を感じる低音域が印象的で、すっきりと聴きやすい音色だなと感じました。

クリアで元気な音色で、全体を通して言えることですが、鮮明でカラッとした音が特徴的です。こういうのを風通しの良いとか見通しの良いというのでしょうか。サウンドステージも多少平面的ですがこの小さな筐体で鳴らしていると考えると十分な広さを有している気がします。

とにかく、聴いていて楽しい音だなというのが最初の印象でした。

 

 

各音域について

・低音域

アタック感があり、輪郭を鮮明に感じ取ることができました。

ゴリゴリというほどではないですが、ロックやEDMを聴くときに十分な量感とアタック感を感じることができます。

ただ人によっては重みやパンチ力に欠けると感じるかもしれません。

また、繊細で響きの効いた音というよりは跳ねるような弾力感のある音です。

 

・中音域

ボーカルについては、曲によってボーカルが浮き出ているような印象で、中高音域で伸びやかさが際立っており、ポップスやロック、特に女性ボーカルの曲を聴くのに適していると思います。

時折やや奥まっている感じがして物足りなさを覚えることがありましたが、全体的には概ね満足できるバランスです。

また、楽器も十分な分離感を有していますが、どちらかというとまとまりを感じる音で、繊細に鳴らしきって粒立ちを感じるほどではありません。しかし、アコースティックギターがリードする曲では生き生きとした表現を感じることができ最高でした。

 

・高音域

元気で明瞭なメリハリのある音です。中音域~高音域にかけてのこの煌びやかさがこのイヤホンの印象を決める大きな要因な気がしています。

キレが良くクリアで抜け感のある気持ちの良い音で、特にスピード感のある楽曲に明るい印象を齎してくれます。ポップスやロックで良く映えます。

ただ一方で、時折やや刺さりやシャリシャリ感を感じるような荒々しさがあり、また響き方に多少の過剰さを感じることがありました。ここは気になる人がいるかもしれません。

 

 

リケーブル

・JIALAI Azul

NICEHCK公式サイトのセールで+$1でセットになっていたケーブルです。

バランス化のおかげか一聴して情報量のアップを感じます。メーカー側が想定しているセットアップなだけあり、Caratの特色を損なわず低音域の量感がアップし、高音域の刺さりが改善された感じがします。

青のイヤーピースにもよく似合う

 

・NICEHCK DeepFog

全体の情報量がアップし、低音域の強化と高音域が少し引っ込んでマイルドになる感じがします。こちらもCaratの特色を大きく損なうことなくグレードアップしてくれます。また、より空間の広がりを感じることができます。

今回の見た目優勝枠です。

ビジュアル的にもパーフェクトマッチ

 

音の感想(まとめ)

明るく元気な高音域とアタック感と輪郭を感じる低音域が印象的な、すっきりと聴きやすい音色で、かつチタンコートDLC振動板のおかげか、スピード感とキレの良さも心地良いイヤホンでした。

ポップスやロック、EDMを聴くときにはかなり有力な選択肢になるのではないでしょうか。

 

自分はリファレンス曲の中で、ロック調の曲では凛として時雨の曲をよく聴くのですが、このイヤホンととても相性が良く、鋭いシンバルと踊るようなベースライン、突き抜ける伸びやかなハイトーンボイス……と小躍りしたくなるくらいに気持ちよく聴くことができました

あとはYOASOBIが好相性でとても脳汁が出ました。

 

もちろん粗を感じる部分もありますが、リケーブルするとかなり改善して聴きやすくなります。

とにかく、終始聴いていて楽しい音のイヤホンでした。

 

 

おわりに(オススメ度)

★個人的なオススメ度(※) : 8/10

各音域の満足度

・高音域 : 8/10

・中音域 : 7/10

・低音域 : 8/10

装着感に対する満足度 : 9/10

デザインや造りに対する満足度 : 9/10

付属品や外装に対する満足度 : 7/10

※自分の購入したセール価格9Kの場合の満足度です

※一応保険を掛けておきますが、これは商品に対する点数付けではなく(結果としてそう見えるかもしれませんが)、価格・予算に対する満足度になります。このイヤホンの価格帯で悩んでいる人がいたらどれくらいオススメできるかなという自分の中での指標です。

 

全体的にスッキリとしつつ楽しい音色で、やや粗削りながら明るく元気な高音域と、弾力感のある低音域が支える中、女性ボーカルを中心に気持ちよく聴ける一品です。

装着感も悪くなく、デザインもシンプルで洗練されたフォルムとカラーに、指紋や傷が目立たないマット仕上げで大満足です。

付属品はケーブルをもう少し良くできるんじゃないかなあと思いましたが、ケース付きであることやイヤーピースの選択肢も多く概ね満足です。

 

総合してかなり楽しく満足感のあるイヤホンでした。

A10Kだとかなり熾烈な製品競争が繰り広げられており、以前感想文を書いたQueや安定して評価の高いHexaなど、この価格帯で頭角を現すにはもう少し完成度やインパクトが必要な気はします。

ただ、今Aliのセールだと最安値6K台らしいので、好みもありますがA5Kと考えると、かなりコスパの高いイヤホンなので、ドンシャリ好きにはかなりお勧めできます。

その場合にはリケーブル込みで9~10点でも良いくらいの満足度がある楽しいイヤホンだと思いますので、興味のある方は是非一聴してみて欲しいと思います。

 

さて今回の感想文は以上です。

最近は金属筐体1DDというだけで食指が動くようになってしまいました。多ドラやフルBAにも興味はあるんですけどね。似た傾向のイヤホンが増えそうだし、ちゃんと視野は広げないとなあと自らを戒めているところです。

 

次は金属筐体1DDじゃないイヤホンの感想文になるのか?お楽しみに。

ではまた。

 

【TANGZU - Wan'er S.G Studio Edition】競争苛烈な価格帯でも群を抜いて優秀なモニターライク中華イヤホン

 

まえがき(所感)

 

こんにちは。

初心者のイヤホン感想文#6は TANGZUWan'er S.G Studio Edition です。

いつものことながらビジュアルに一目惚れして購入しました。

 

スタジオの名を関するくらいなので名前の印象としてはモニターライクなイヤホンのイメージでした(モニターライクがどんなものかしっかり理解しているわけではありませんが…。)

 

実際に聴いた所感としても、ニュートラルな調整によって、低音域から高音域まで安定したパフォーマンスを見せてくれる、非常にバランスが取れた超高コスパの低価格イヤホンでした。

 

購入から2週間ほどエージングを挟みつつちょこちょこ聴いた感想を綴っていこうと思います。

 

内容物とか

ブラックとホワイト両方のイラストが裏表印刷されたクロス

開封後、まず目につくのはイメージキャラクター(?)のクロスです。裏表でデザインが異なり、違うカラーバリエーションのパッケージイラストを拝むことができます。

外箱といいクロスといい、この価格帯にしては豪華さを感じる作りです。

 

内容物の量としては簡素だが、装丁も相まって満足感は十分

続いてイヤーピースとケーブル。

イヤーピースは2種類でやや軸の長い黒色が3サイズと、やや開口部分の広い白色が4サイズあります。

 

ケーブルは少し絡まりやすそうですが、この価格帯にしては頑張っている感じのする無酸素銅メッキ銀ケーブル。音質も必要十分という感じで特に不満はありません。

 

ただし、このケーブル耳掛け部分に少し癖があり、ハリガネを曲げるように、中のワイヤーを曲げて耳にフィットさせるタイプです。

細かく調整できるのでフィット感は向上するかもしれませんが、正直毎回調整するのは面倒だし、ワイヤー自体も少し癖が合って装着に手間取ることがあります。

 

最初はこれいいじゃん!と思っていましたが、使っていくうちになぜこのタイプの耳掛け部分を採用しているケーブルが他にないのか理解しました。笑

 

イヤーピースも質は悪くない。ケーブルはひと癖あり

 

 

イヤホン本体

めっちゃカッコいいFP

本体は黒と金が非常にかっこいいシックなフェイスプレート、ハウジングはクリアボディで中の構造を確認することができます。

 

ドライバーは10mm PET ダイナミックドライバーで、新たに開発されたより軽く高剛性の振動板を搭載しているそうです。

 

コネクタ部分がせり出しているがQDC端子ではない

コネクタ部分はせり出した造りになっているためQDC端子かと思いましたが、実際は0.78mm 2PIN仕様(公式談)だそうで、かなり紛らわしい仕様だなあと思いました。

ちなみにカバーの付いてる一般的なQDC端子のケーブルは普通に使えました。ただこれはリスクもあるので推奨はしません。

 

ノズル部分はやや短めで、上手いことイヤーピースを選ばないと耳にフィットしない可能性があります。個人的には白より黒のイヤーピースがフィットしやすかったです。

ノズル部分はやや短め

 

音の感想

視聴環境

DAP  HiBy - R6 Pro II

ケーブル  標準ケーブル

イヤピ  標準(白) → 標準(黒) → SpinFit CP100+

 

 

各音域について

・高音域

おおむね刺さらない程度にバランスよくしっかり鳴っている印象です。

全体的に適度な滑らかさと広がりによって、響きの繊細さや余韻を感じることができます。かなり安定感のある調整だと思います。

ただ、それなりにキラキラ感があるので、音量と選曲によっては刺さりを感じる可能性があります。また、超高解像度というわけでもないので、高音フリークにとってはアクセントの域を出ないかもしれません。

 

・中音域

全体的に明瞭で開放感のある音だと思います。楽器もボーカルも上手く分離し、変に突出することがないのでバランスよく見通しの良い音が鳴っている印象です。

特にボーカルの聴こえ方が良好で、(実際の音量の凹凸ではなく)聴こえる印象として他に突出した音域が無いために、自然とボーカルに集中できます。

 

・低音域

高音域と中音域を支えるのに十分な量と深さで鳴っているように感じます。

曲によっては多少淡白さを感じることもあり、当然低音ドコドコが好きな方(私)からすると少し物足りなくも感じますが、全体のバランスを考えるとスッと耳に入ってくる必要十分な音を維持していると感じます。

 

余談ですが、イヤピースをSpinFit CP100+に変えたらかなり下の方の音も上手く伝えてくれるようになり、低音域の量感がUPした感じがありました。

これは、Wan'er SEのノズルが短いため標準のイヤーピースでは上手くフィットしていなかった可能性があります。CP100+はノズルとの接着部分の上端から開口部分までに少し距離があり、そこが柔軟に曲がってくれるため耳にうまくフィットする余裕を生み出してくれているようです。

CP100+が無くても軸が長めのイヤーピースなら同じ効果を得られるかもしれません。低音域に物足りなさを感じた方は是非お試しあれ。

 

 

音の感想(まとめ)

ニュートラルな調整によって、低音域から高音域まで安定したパフォーマンスを見せてくれる、非常にバランスが取れたイヤホンです

 

これは近い価格帯だとChu2やGalileoに感じた印象に似ていて、とにかくバランスが良く、どの音域をとっても突出し過ぎず、必要十分な量感・質感でもって楽曲を鳴らしてくれるので、不快感のない心地良いリスニング体験ができるという印象でした。

 

一方で少し前の自分だったら、Galileoの時(#3)のように味付けが少ないので面白くないな、と思っていたかもしれません。

でも今はこういったバランスの取れた聴き心地の良い音も素晴らしいと感じます。EQで自分好みの味付けをする楽しさもありますし。

 

私はその道のプロではないので"Studio Edition"の名前がふさわしいかまで判断することはできませんが、リスニングする分においては、各パートをフラットな気持ちで聴くことができ、特にボーカル楽曲では自然とボーカルに集中できるようなバランスの良いチューニングであると感じました。

 

 

おわりに(オススメ度)

★個人的なオススメ度(※) : 9/10

各音域の満足度

・高音域 : 9/10

・中音域 : 9/10

・低音域 : 8/10(CP100+をつけた場合 : 9/10)

装着感に対する満足度 : 6/10

デザインや造りに対する満足度 : 8/10

付属品や外装に対する満足度 : 7/10

※一応保険を掛けておきますが、これは商品に対する点数付けではなく(結果としてそう見えるかもしれませんが)、価格・予算に対するオススメ度(満足度)になります。このイヤホンの価格帯で悩んでいる人がいたらどれくらいオススメできるかなという自分の中での指標です。

 

ニュートラルな調整によって、低音域から高音域まで安定したパフォーマンスを見せてくれる、非常にバランスが取れたイヤホンです。

 

唯一物足りなさを覚えた低音域もイヤーピースの変更でかなり好みに近づいたので音に関しては言うことがないです。

Galileo君と同じように手持ちのイヤホンの選択肢が増えた今では面白みに欠けるなと思ったりもしますが、変に味付けされておらず、特に聴き疲れもすることがないため長時間聴けるサウンドだと思います。EQで遊ぶのも楽しいです。

 

見た目のデザインもカッコいいですし、値段の割に高級感があります。

ただ、ケーブルの耳掛け部分のハリガネは取り回しや装着感に直接影響する部分なので賛否別れそうです。

また、私の理解が浅いだけなのかもしれませんが、ピンが2pin 0.78なのに形がQDCのような出っ張りがあるのは紛らわしく、2pinのリケーブルをすると結合部分が間延びして不安定になる点が不満です。

 

とはいえ、総合して凄まじくコスパの良いイヤホンだと思います。この価格帯のおススメを聞かれたら final E3000 とこの Wan'er S.G Studio Edition を挙げると思います。

(いやでもChu2やWyvernBlackも捨てがたいな、うーん…。)

ということで、この価格帯もライバルとの争いが熾烈ですが、このイヤホンAmazonで4,500円ほど、アリエクだと場合によってはセールで2,000円前後で買えるらしいです。バグです。

ご興味を持たれた方は是非一聴してみることをお勧めします。

 

 

今回は以上です。

少し前にXのアンケートで点数をつけることの賛否を聞いたところ、ぴったり五分で賛否両論だったので、今回から試験的にやってみて、不評だったらやめることにしました。

基本私の満足度を点数化しただけの簡易的なものではありますが、どう感じたか、ご意見、ご感想お待ちしております。

 

ではまた。

 

【SIVGA - Que-鵲-】包み込むような音で心地よい音楽体験ができる、木目が印象的な1DDイヤホン

 

※いつにも増して分量が多いので興味のある項目まで飛ばしてお読みください。

 

まえがき

こんにちは。

初心者の感想文#5です。いつ脱初心者と名乗ればいいのか機を見失っています。

そもそもどうしたら初心者を脱せるんだ…?

 

さて、今回の感想文は SIVGA の Que -鵲(かささぎ)- です。SIVGAの製品はお初になります。

綺麗な木目のフェイスプレートに惹かれ、気が付いたらポチっていました。こういうボタニカル?なのも好きです。

 

正直レビューなどを見る前にポチったので音は別に値段なりの期待値だったのですが、試聴した結果めちゃくちゃお気に入りのイヤホンになりました。

 

今回は割と褒めまくってます。人によっては違くね?的外れ。と思うようなところがあるかもしれません。ご指導ご鞭撻、大歓迎です。

ただ、私は今現時点で自分の知っている世界、少ない音楽経験に基づいて、このQueを通して感じた喜びをつづりたいと思います。

 

パッケージもカッコいい。"鵲"の字がでかいのがまた良し。



内容物とか

内容物は革製ケースと標準ケーブル、イヤピ2種(黒軸4ペア、白軸3ペア)です。

黒のイヤピは軸が長めで、白は軸が短めです。

ケーブルはコネクタが0.78mm 2PINでプラグが3.5mmの高純度無酸素銅銀メッキケーブルで、マルチワイヤによるリッツ編組になっています。

 

内容物。ケースは適度な大きさで使いやすそう。
イヤピは黒(軸が長い)が4種、白(軸が短い)が3種
コネクタ部分は少しせり出している0.78 2pin
プラグは3.5mmのみです
綺麗な白銀のケーブル。装着時はこんな感じ。

 

 

イヤホン本体

FPの部分は木製、それ以外の部分は亜鉛合金筐体です。

製品説明によると、

変形に強いことが特徴の北米産ホワイトメイプルウッドを、SIVGAの培ってきた木材加工技術でハウジングに適用しています。

木製素材の特徴を活かし筐体内部の反響を制御、音質向上のみらず、淡く明るい色味の美しい外観で所有欲を満たします。

亜鉛合金素材に精密な鋳造技術を加えて、ノズルと通気孔のサイズをより正確に仕上げています。
ベント穴を適切なサイズに抑制する事で、振動膜を動きを最適化し、音の重要なポイントとなる周波数帯のリズムを正確に再現しています。
さらに筐体の共鳴を効果的に低減し、ドライバーが奏でる本来のサウンドを引き出し、ユニットの負荷を軽減させ耐用年数を延ばしています。

とのことです。

正直イヤホンという些細なことでも音に影響が出るような繊細な機構に、素材としては安定感のなさそうな木製素材を採用するのはよほど加工技術への自信があるんだなと感じます

実際、見たところ粗などみつからず、美しい筐体を作り上げていると思います。

 

ドライバーは10mmベリリウム振動板を搭載しています。

ベリリウム振動板については前回と同じ引用で済ませます。

「音は透明で金属感があり、人々にクリアで明るい感覚を与えます。また、ベリリウム振動板の密度は比較的低いため、音の感度と応答速度の向上にも役立ちます。」(※註)

ドライバの特性もあってか、後述の通りキレの良い音を鳴らしてくれます。

 

コネクタ部分は2pinで、やや凹んでいて、ケーブルがカチッとハマる仕様です。

ぬるりと刺さるよりも安心感はありますが、最初は硬さが気になるかもしれません。

また、凹んでいる仕様上、完全なフラット2pinは使えません

 

 ※註:NICEHCK公式サイト『Getting Started for Audiophiles: How to Choose the Best Headphones for You?』(https://nicehck.com/blogs/guides/in-ear-monitor-earphone-faq-and-troubleshooting

焼いて刻まれたメーカーロゴがカッコいいですね
フェイスプレート以外は合金



 

音の感想

視聴環境

DAP  HiBy  R6 Pro II

ケーブル  標準ケーブル

イヤピ  標準(黒) → 標準(白)

 

イヤピは最初は黒軸を使っていましたが、音場の広さの代わりに音がぼやける感じがしたので白軸に変更。黒軸のほうが暖色傾向が強くなる印象です。

 

全体的な第一印象

とにかく心地の良い音で、包まれるような感覚がある、というのが第一印象です。

音の鳴り方はベリリウム振動板のアタック感とキレを感じ、響きはメープルウッドの力なのか穏やかに響く。

全体的にバランス良く、突出して気になるような部分が生まれないような優しく柔らかい音という印象です。

 

暖色寒色は…どうだろう、キレの良さは寒色っぽく感じるけど、全体的な、特に中音域以下の包み込むよな広がり方は暖かさを感じる…。

うーん、この辺の感覚はまだ良くわかりません!ファーストインプレッションのまま、鳴り方は寒色、全体的な響き方は暖色ってことにしておきます。

 

 

各音域について

・高音域

中高音域~高音域が個人的にQueのバランス調整の中で一番気に入ってるポイントです。

刺さるような音や歯茎音などノイジーな部分を上手くカットしつつも、主要なアタック音が埋もれず存在感を放ちつつ綺麗に鳴っていて心地よく聴くことができます。

鋭く煌めく高音を求める人にとっては物足りないかもしれませんが、個人的には言うことなしです。

 

 

・低音域

低音は全体的に優しく鳴る印象ですがスラップやバスドラのアッタク感はちゃんと感じれます。ゴリゴリの低音というより、深い音でしっかりとリズムをとって下支えしている感じです。

一方で、音源側でベースが「主張してるよ!」って曲だとちゃんと意図通り主張している印象があります。

このイヤホンの優しく包み込む音を印象付ける要因の一つは、曲の意図通りしっかり存在して、好き勝手主張しすぎず、かつ深く響く低音域にあると思います。

 

ただサブベースが控えめで、低音ゴリゴリが好きな人からしたら音が弱かったり薄かったりという印象を受けるかもしれません。私自身、最初は少し物足りないという印象でした。

また、これは筐体の特徴なのか、パワーはありつつも良くも悪くもマイルドな響き方をするためか、曲によってベースラインがぼやけて聞こえることがあります。

ここはイヤピによってもかなり変わってくる部分だと思います。

 


・中音域
ボーカルは埋もれることなく、やや前に出ている印象です。とくに低めの男性ボーカル(男性の地声域くらい)や、高めの女性ボーカル(女性の裏声域くらい)が良く聴こえます。

ボリューム的には突出しているわけではないけれど、中低音・中高音域をやや膨らませて優しい音色で表現しており、他の音域に埋もれないので立体感があります。

 

また、ボーカルだけでなくピアノやストリングス等、楽器の音も変に混ざることなく綺麗に鳴っている印象です。

高音域も低音域も存在感がありながら、中音域も立体感を持って鳴っていることで、包まれるような音の広がりを感じることができている気がしてます。

 

 

音の感想(まとめ)

全体として、とにかく優しい音色で出来るだけ自然なリスニング体験ができるように作られているなあという印象でした。

 

耳を澄ますほど集中しなくても存在感のある、でも棘はない高音。
そして、曲側が意図して前に出している部分はしっかりと存在感を増して聴こえ、それ以外のところではしっかりと下支えしながら曲に深みを与えている低音。

 

曲の意図するところを汲み取るって音源がそうなんだから当然そうなるって思いがちですが、実際は多種多様な曲すべてに対応するのは無理ですよね。

(もしかしたらもっと高価なイヤホンならそれができるのかもしれませんが…)

 

実際、低音域における深みを感じる音の響きが、ある曲ではぼやけて聞こえたり、サブベースの特徴的な曲で内臓にまで響くようなうねりを感じるほどではないために、物足りなさがあったりもします。

高音域も恐らく刺さるような音域を多少カットしているために、曲によってはシンバルの鋭い切れ味や、ストリングスの伸びやかさ、ひいては全体的なきらめきが足りないと感じることもありそうです。

 

それでも、このイヤホンではそのトレードオフができるだけ自然になるよう、全体のバランスを平均値的ではなく中央値的に調整している印象があります。

多くの人にとって心地よいなめらかな響きで楽曲を表現すること、そこにQueの目指す音像があると(勝手に)思いました。

 

個人的な好みでいえば全体的にもう少し響きが乾いていてパリパリシャキシャキした分離感が高い音、そしてブリブリでゴリゴリな低音が好きです。笑

それでも私の安い耳、少ない経験の中では、全体として大満足な音楽体験だったし、Queの音は総合的な音楽表現の成功例として私には感じられました。

 

 

リケーブル

強いてリケーブルする必要性を感じないくらい、標準ケーブルでの音が良かったのですが、手持ちのケーブルの中であえてやるならこれかなあというのをやってみました。

 

・Yongse WhiteBear (4.4mm)

解像度と音場のアップグレードを感じたがバランス化のおかげかも。わからん。

見た目シナジーは標準とほぼ変わらないのでぼちぼち。

 

・NICEHCK 5Aplus (4.4mm)

情報量が増し迫力が凄い。「音で包んであげるよ」が「我が貴様を音で包んでやろう」にランクアップした感じ。

見た目シナジー的にはこれが一番。

 

・NICEHCK AceOrpheus (4.4mm)

正統進化。はっきりと解像度と滑らかさがアップする感じ。

見た目シナジーは微妙。

 

今回の見た目シナジーは5Aplusが優勝でした

 

 

おわりに

私は5万円以上のイヤホンを所持していません。きっと雲の上には私の想像しえない世界があるのだと思います。

ただ、最近は様々なイヤホンを使ってじっくり音楽を聴くようになり、少ない経験値なりにこのイヤホンの製作者はどういった音を提供したいのだろう?と考えるようになりました。

それと同時に音楽鑑賞は楽曲が合って成り立つものなので、音源側が提供したい音についても考えざるを得なくなり、音源側への理解も深まりました。

 

逆に忘れてたのか?というくらい当たり前のことを再認識し、音源をどのように再生するのか、そこに各々の違いがあって面白いというイヤホンの初歩に立ち返った気がします。

音域を分離して分離して、パーツの一つ一つを吟味するのも楽しいですけど、総合的な表現として存在する音楽作品全体として、面白さを改めて見つけていきたいと思います。

 

さて、今回は以上です。自分の中で基準となるような、全体的にとても印象の良いイヤホンでした。

語りすぎて黒歴史になっていないか心配ですが…。

今のところ音としてはHIMALAYA、A5000に次ぐお気に入りです。エージングによる音の変化も楽しみですし、ゆっくり味わいたいと思います。

 

ではまた。