要点
・ノイズキャンセリング性能が高く、外音取り込みも便利
・やや寒色寄りの弱ドンシャリで楽しいリスニングができる
・クリアな高音域、聴きごたえのある低音域を実現
・片耳4.6gと非常に軽量。フィット感も良好で長時間利用でも大丈夫
・コスパが良い。この性能なのに約7,000円で買える
・専用アプリがあり機能面で操作しやすい。言い換えるとアプリ必須
・イヤピが合わないと評価が一変するので、イヤピ選びが大事
まえがき
レビュー#20
今回はROSESELSA - EarFeel i5(旧 EarFree i5)です。
ROSESELSAは2015年に設立され、インテリジェントな技術と綿密な製造を通じて、比類のないオリジナルサウンドの再現を追求してきた新進気鋭のオーディオブランドです 。これまでに、国内外の音楽愛好家に知られる優れたオーディオ製品を数多く発表してきました 。
EarFeel i5は、48dBのANC(アクティブノイズキャンセリング)性能、長時間のバッテリー駆動に加えて、音質面ではLDAC接続にも対応し、リフラッグシップモデルHR2トポロジカルダイヤフラムドライバーユニット、Cadence HiFi 5 DSPチップによってHiFiグレードの音質を実現しています。
なお、この製品はブランドイメージ向上のため8/17に改名しており、 EarFree i5 から EarFeel i5 という名称に変わっています。
今回の製品はレビューのため Roseselsa_Official 様よりご提供いただきました。ありがとうございます。
この依頼に際し、製品提供以外の金品授受その他便宜の提供はございません。また、内容に関して指示等は一切なく、完全に私の知識と経験に基づき感じたままをレビューしています。
ROSESELSA EarFeel i5は現在 Aliexpress の Roseselsa Official Store 及び ROSESELSAの直販ストア で発売中です。
仕様
スペック
製品名 |
ROSESELSA EarFeel i5 |
カラー |
ブラックグレー/シャンパン/トロンブルー |
重量 |
4.6g |
48dB | |
4000Hz | |
ドライバーユニット |
10mm DLC Dynamics |
32Ω |
|
充電時間 |
約1時間(*) |
コーデック |
AAC/LDAC/mSBC/SBS |
レイテンシー(ゲームモード) |
54ms |
防塵・防水レベル |
IP55 |
Bluetoothバージョン |
5.3 |
バッテリー稼働時間 |
50時間(**) |
出力電力 |
15 mW |
周波数応答範囲 |
14 - 23600Hz |
通信範囲 |
10m |
(*)一回(約10分)の充電で、約12時間の稼働が可能
(**)総再生時間:50時間、1回の再生時間:10時間
その他機能
「ROSE LINK」アプリ(日本語対応)により以下機能のコントロールが可能(※Ver125)
・ノイズキャンセルモードの切り替え(ノイズキャンセリング、風切音、通常、トランスペアレント)
・3つのチューニングモード(POP、HIFI、ROCK、LIGHT)
・ゲームモードを有効(54msの低レイテンシ対応)
・デュアルデバイス接続
・デバイスを探す(大音量でイヤホンの場所を探す)
・タッチ設定のカスタマイズ
・ラボ機能(通知音設定、着け外しによる自動停止・再生機能など)
・ガイダンスの言語設定(英語、中国語)


ドライバー
EARFREE-i5は、フラッグシップモデルHR2トポロジカルダイヤフラムドライバーユニット、Cadence HiFi 5 DSPチップ、そしてLDACコーデックを搭載しています。
636日間の研究開発期間を経て、i5は1000Hzでわずか0.02%の歪みという高感度と、より広がりのあるダイナミクスを実現。
情熱的なポップミュージックから静謐なクラシックメロディーまで、心ゆくまで堪能できます。この完全ワイヤレスイヤホンは、オーディオファンのためのサウンドをお届けします。
(公式販売ページより)
付属品や外装


EarFeel i5のパッケージはこんな感じ。技適も確認できます。
付属品は必要最小限の構成。
内容物は①本体、②イヤーピース、③USB-Cケーブル、④説明書です。
②イヤーピースは最初からついている1種類4サイズ。
ノズルの形状に合わせて軸は短く、楕円形になっています。
③USBケーブルは、USBのType-A to Type-Cタイプ。
充電器は付属していないので用意する必要があります。
本体・造形
EarFree i5のカラーバリエーションは「ブラックグレー/シャンパン/トロンブルー」の3種類。今回はブラックグレーを提供いただきました。
質感は多少プラスチックの安っぽさを感じなくもないですが、バリなどもなくビルドクオリティは十分だと思います。


重量は4.6gと軽く、着け心地も悪くないです。長時間の使用でも不快感はありません。


ケースの外側は航空宇宙グレードのアルミニウム合金ボディで、カッコいいかつ指紋は目立たないので使い勝手が良さそうです。内側はプラスチック製ですね。


上部にはEARFREEの表示、ここもEARFEELに変わるのかな。
裏側には各種情報の表示があり、技適マークもあります。
ノイズキャンセリング機能
ノイズキャンセルモードは①ノイズキャンセリング、②風切音削減、③通常、④透明の4つ。③の通常はANCオフなので実質3種類です。
①のANCですが、前提としてイヤーピースがしっかり合っていること、しっかりと装着されていることが必要です。隙間があるとノイズキャンセリングの効果が十分に発揮されません。
適正なサイズのイヤーピースでのノイキャン効果は十分な強さです。
主に部屋での使用では換気扇、扇風機、エアコンの音がかなり削減されました。
消えるほど、ではありませんが、かなり軽減されるのを感じます。
カフェでは周りの人の声が遠くなりBGMやガヤガヤがやや軽減されます。
電車では走る音が多少遠くなります。
流石に外では多少音を軽減してくれるくらいの効果だと感じました。
カフェの騒音が60dBくらい、電車内の騒音が80dB~と言われているので流石に仕方ないかと思います。
②風切音削減は、風が耳に当たった時の「ボワボワ、ボフボフ」音を削減してくれます。
試しに扇風機前に立ってみましたが、確かに結構効果があるなと感じました。
強いて言うなら風の音そのものではなく、あくまで風が耳に当たった時の「ボワボワ、ボフボフ」音を削減してくれるものなので期待しすぎには注意です。
④の透明は、いわゆるトランスペアレンシー(外音取り込み)機能で、イヤホンを着けたままでも周りの声や音を聴き取りやすくしてくれます。
これが結構便利で、レジに並ぶとき、ちょっと外のアナウンスを聞きたい時など、イヤホンを外さなくても周囲の音をしっかり聞き取ることができます。
バッテリー・接続安定性について
バッテリー
EarFeel i5のバッテリーについては、以下のスペックになります。
・総再生時間:50時間
・1回の再生時間:10時間
・一回(約10分)の充電で、約12時間の稼働が可能
これはメーカーの計測値なので設定や環境によって大きく変わる可能性があります。
実際に試した感覚として、LDAC接続・音量小さ目の連続使用で、約7時間くらいで本体のバッテリーが切れたので、やはりLDAC接続にするとバッテリーの消耗が激しいようです。
接続性
LDAC接続で室内の利用では、一度も途切れませんでした。
駅やショッピングモールでは、時折一瞬の切断がありましたが、おおむね使用に支障はありませんでした。
もしさらに人混みなどでプツプツが気になるようなら、より安定するAAC/SBC接続に変更してみてください。
音の感想
視聴環境
※Ver 125(2025/8/20 時点最新)、EQは「HiFi」モード
・アラサー男の耳 (16000hz)、ドンシャリ(V字、W字)好き
・エージング 50時間
・Google Pixel 9 Pro → 本機(LDAC接続)
・音量大きめ(やや音漏れが聞こえるくらい)
・イヤピ 標準
・主なリファレンス曲(flac音源)
〇藤井風『何なんw』
〇米津玄師『BOW AND ARROW』
〇RIIZE『Boom Boom Bass』
〇凛として時雨『Telecastic fake show』
〇Vaundy『life hack』
〇女王蜂『01』
〇Ado『踊』
〇星街すいせい『Orbital Period』
〇milet『inside you』
〇宇多田ヒカル『First Love』
〇トゲナシトゲアリ『雑踏、僕らの街』
〇HIMEHINA『LADY CRAZY』
〇アイナ・ジ・エンド『Love Sick』
〇梶浦由記 『「Fate/stay night [Heaven's Feel]」コンサート』
全体的な印象について
HiFiモードでは、ニュートラル~やや寒色傾向。
チューニングとしてはドンシャリで、やや重心は高めに感じます。
特に高音域が良く出ていると感じました。
自然で聴き心地が良く、明るい印象です。
解像度もTWSとしては十分であると感じます。
ちなみに多少音量を上げた方がよりバランス良く感じられました。
各音域について
◎低音域
適度にタイトでしっかりとした量感が特徴です。
確かな存在感がありつつも、他音域を邪魔しない低音域です。
特にミッドベースはやや強調されていますが。ボワつきもなく、自然な低音で曲の下支えをしてくれます。
スピード感もまずまず。厚み、深さ、アタック感どれをとっても「十分」と感じるくらいには出ています。
◎中音域
中音域はドンシャリらしくやや奥まった印象。
ただ、特徴的な低音域・高音域にかき消されるかといわれれば、そんなことはなく、主張は弱めながらもしっかりと存在しています。
もし中音域の凹みをかなり感じたときは、ある程度音量を上げるとバランスの改善を感じるかもしれません。
音自体はクリアで聴きやすく、やや奥まっているとはいえ暗い印象はありません。
むしろモードによってはかなり明るさを感じるので、もし歯茎音が気になるときは、EQで他のモードを試してみることをお勧めします。
◎高音域
クリアさとディティールを備えた良い高音域だと思います。
明るさと拡張性もあり、聴きごたえがあります。
量感としてはやや多め。聴き疲れはしませんでしたが、音量によっては多少の刺さりが気になるかもしれません。
もし刺さりが気になるときは、EQで他のモードを試してみることをお勧めします。
空間表現(ゲームでの利用等)について
それほど広い印象はないですが、奥行きと左右の広がりも適度にあり、窮屈さはありません。定位やイメージングも十分な精度です。
また、RPGゲーム(ペルソナ5X)でも、遮音性の高さ、低音がしっかり出ていることから、ゲームへの没入感と迫力を演出してくれてかなり良い感じでした。
音ゲー(ペルソナ5X)では流石にゲーミングモードでも多少遅延が気になりましたが、反応調整で何とかなる範囲でした。
スーパーマスターEQ各種の特徴について
・HiFi……一番バランスが好み。刺さりの少ないドンシャリ
・POP……重心がやや高めな弱ドンシャリ
・Rock……中音域がやや強調され、高音域が控えめに
・LIGHT……文字通り軽い印象。低域が弱く高域が強い
・高音域のイメージ LIGHT> POP > HiFi > Rock
・低音域のイメージ HiFi > Rock > POP > LIGHT
おわりに(感想)
ROSESELSAのTWSは2本目となりました。
前回レビューしたCeramics Xもかなり高コスパを感じる製品でしたが、今回のEarFeel i5もサウンド面、機能面をかなり充実させてきたなという印象です。
やはりTWSとして欲しい部分を詰め込んだ高コスパイヤホンで、値段に対しての満足度が非常に高いと感じます。特にサウンド面でのクオリティの高さは流石という感じでした。
音が良く機能面も充実した1万円以下のTWSをお探しの方に是非試してほしいですね。
さて、今回のレビューは以上となります。
ではまた、次の記事でお会いしましょう。
販売・リンク等(AD含)
・公式X(Roseselsa_Official (@RoseTechnics)):
・直販サイト:
https://rosetechnics.com/products/earfree-i5-anc-tws-earbuds
・Aliexpress:
https://s.click.aliexpress.com/e/_opgusPz